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創る・造る・作る「美しい時間」(月報KAJIMA 2024年5月号)
長い間、クラシックの演奏家は「つくる」ことを許されない職種だった。過去に作曲された偉大な作品を演奏する。楽譜に記された情報を的確に読み取り、個人的な感情をさしはさまず、ふさわしい技巧によって作曲家の意図を忠実に再現する。…
いま、知っておくべき“新常識” 近年の研究に基づくショパンノ演奏の傾向(ムジカノーヴァ2024年5月号)
その奏法、古いかも? 様式感の”新常識” いま、知っておくべき”新常識” 近年の研究に基づくショパンの演奏の傾向 文 青柳いづみこ コチャルスキが弾く左右の手の“ずれ” ラウール・コチャルスキ(1885-1948)の弾く…
ポリーニ追悼(2024年4月1日付 読売新聞朝刊文化欄)
ポリーニの死は3月23日夜、在仏の日本人評論家のSNSで知った。それから続々と訃報が流れはじめたが、20世紀音楽の専門家たちがいち早く反応しているのが興味深かった。 「現代音楽」が「クラシック」とは異なるカテゴリーに組み…
「ヴィンテージピアニストの魅力 終わりに」(音遊人 2022年冬号)
十年前に開始した本連載も今回で終止符を打つ。 第一回にアリス•アデールという、 日本ではほぼ知られていないピアニ ーストを取り上げたことからもわかるように、コンセプトはアンチ•コンクールだった。 コンクールは、自分も子供…
天から二物(日経新聞 2022年2月27日付)
ピアニストの山田剛史さんにお会いしたのは、東京都内で開かれた日本バッハコンクール全国大会の審査でご一緒した折だった。審査員長をつとめる先生が、「このかたは、あの灘高から芸大に行かれたのですよ」と紹介してくださった。 …
コミカルな6人組(東京・春・音楽祭2020 公式プログラム)
フランス6人組と言ったら人は何を思い浮かべるだろう。軽妙洒脱、おしゃれ、コミカル、「現代音楽」に比べてわかりやすい・・・・・・。 何となくまとまったイメージがあるものの、実は6人の作風はバラバラで、共同制作したのは1…
フランスと私「私が、私のようであること」(ふらんす 2019年12月号)
演奏家になりたいと思ったことはなかった、ように思う。もともと手が小さかったし、弾けない曲も多い。ピアノも選り好みする。音量もあまり出ないから、オーケストラとの共演には向かない。競争も嫌いで、コンクールではいつもお先にどう…
「全日本歌謡選手権」(図書 2019年8月号)
二〇一九年二月二二日に放映された読売テレビ開局六〇年記念スペシャルドラマ「約束のステージ〜時を駆けるふたりの歌」はなつかしい番組だった。 小沢翼は歌手志望の二〇歳。青森の港町で家業の食堂を手伝っているが、電車の追突事故で…
「『天使のピアノ』が奏でた音」(文藝春秋 2019年5月号)
皇后美智子さまがすばらしいピアニストでいらっしゃることは、音楽関係者の間で広く知られています。毎夏草津アカデミーで講師をつとめる著名演奏家と共演なさり、テレビのニュースでも放映されています。 私が初めて間近でご演奏を…
ハンブルグバレー 2018年公演 プログラム
バレエ『椿姫』 ドラマを紡ぐ、ショパンの音楽 「別れの曲」「革命のエチュード」「雨だれの前奏曲」。ショパンのビアノ曲にはロマンティックなタイトルが多いが、実は作曲家がつけたものではない。ロマン派の作曲にしては珍しく感情を…
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