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【連載】「音楽家の愉しみ 第5回 城崎の夜」(音遊人2024年春号 )

 2021年から、母方の郷里、兵庫県北部に位置する養父(やぶ)市の芸術監督をつとめている。  京都から特急で二時間。八鹿( ようか) 駅で下車して車で五分。とても音響の良いキャパ650席の「やぶ市民交流広場ホール」がある…

【連載】「音楽家の愉しみ 第4回 デュッセルドルフの夜」(音遊人2023年冬号 )

 二〇二三年九月二十四日から一週間パリに滞在し、二回のコンサートに出演した。  パリではいつもアパートを借りるのだが、このときは突然キャンセルされてしまい、仕方なくホテル住まい。併設されているブラスリーがとても美味しく、…

【連載】「音楽家の愉しみ 第3回 十三(じゆうそう)の夜」(音遊人2023年秋号 )

 仕事柄、大阪に行くことが多い。年に一度は阪大会館のコンサートに出演するし、大阪音大は定年退職したものの、神戸女学院の講師はまだ残っているし、芸術監督をつとめる兵庫県養父市(やぶし)に行くための拠点のひとつでもある。  …

【連載】「音楽家の愉しみ 第2回 パリの夜」(音遊人2023年夏号 )

 二〇二一二年一月二十日から二十九日までパリに滞在した。短い期間だったけれど、二十六日夜、サロンで開催されたコンサートを含めて実り多い日々だった。  最後に訪れたのは二〇一八年八月末、ピリオド楽器のためのショパンコンクー…

【連載】「音楽家の愉しみ 第1回 神戸の夜」(音遊人2023年春号 )

 打ち上げのビールが飲みたくて演奏活動をしている、というアーティストは多い。もちろん、客席と一体となって音楽を作っていく喜びは何ものにも変えがたいが、終演後、それではサヨナラと帰ってしまったら喜びも半減するだろう。コロナ…

【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語13(最終回)「ヴァランティーヌ・グロス」(岩波図書 2022年2月号)

 「コクトーが撮った29枚の写真」という副題がついた『ピカソと過ごしたある日の午後』(ビリー・クルーヴァー著、北代美和子訳、白水社)は、エコール・ド・パリが蘇る楽しい本である。  一九一六年八月一二日、ピカソと昼食をとる…

【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語12「ジャーヌ・バトリ」(岩波図書 2022年1月号)

 ラヴェルの『博物誌』『マダガスカル島民の歌』、ドビュッシーの『恋人たちの散歩道』などを初演しているジャーヌ・バトリは、パリ六区のヴィユ・コロンビエ座で前衛音楽のコンサートを企画し、六人組誕生の立役者の一人となったメゾ・…

【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語11「ルメール夫人とプルースト」(岩波図書 2021年12月号)

 出世競争する若者たちはこぞって上流階級のサロンに出入りするが、そのサロンを主催する夫人たちにもまた、出世争いがあった……いうのが、プルーストが『失われた時を求めて』の中で、「薔薇の花の画家」ルメール夫人がモデルの一人と…

【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語10「グレフュール伯爵夫人」(岩波図書 2021年11月号)

 マルセル・プルーストは、今でこそ二〇世紀文学の金字塔『失われた時を求めて』の著者として名高いが、初巻刊行当時は単なる社交界評論家と思われていた。実際に、一九〇三ー四年には「ドミニック」「ホレーショ」という筆名でマチルド…

【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語9「ポリニャック大公妃」(岩波図書 2021年10月号)

 シンガー・ミシンの創設者の娘に生まれ、七月革命で退陣したシャルル一〇世の大臣の息子と結婚したポリニャック大公妃がコルタンベール街とアンリ・マルタン街で開いたサロンは、時期的にサン=マルソー夫人のそれと不思議なほど重なっ…

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