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【連載】「音楽家の愉しみ 第2回 パリの夜」(音遊人2023年夏号 )
二〇二一二年一月二十日から二十九日までパリに滞在した。短い期間だったけれど、二十六日夜、サロンで開催されたコンサートを含めて実り多い日々だった。 最後に訪れたのは二〇一八年八月末、ピリオド楽器のためのショパンコンクー…
【連載】「音楽家の愉しみ 第1回 神戸の夜」(音遊人2023年春号 )
打ち上げのビールが飲みたくて演奏活動をしている、というアーティストは多い。もちろん、客席と一体となって音楽を作っていく喜びは何ものにも変えがたいが、終演後、それではサヨナラと帰ってしまったら喜びも半減するだろう。コロナ…
【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語13(最終回)「ヴァランティーヌ・グロス」(岩波図書 2022年2月号)
「コクトーが撮った29枚の写真」という副題がついた『ピカソと過ごしたある日の午後』(ビリー・クルーヴァー著、北代美和子訳、白水社)は、エコール・ド・パリが蘇る楽しい本である。 一九一六年八月一二日、ピカソと昼食をとる…
【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語12「ジャーヌ・バトリ」(岩波図書 2022年1月号)
ラヴェルの『博物誌』『マダガスカル島民の歌』、ドビュッシーの『恋人たちの散歩道』などを初演しているジャーヌ・バトリは、パリ六区のヴィユ・コロンビエ座で前衛音楽のコンサートを企画し、六人組誕生の立役者の一人となったメゾ・…
【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語11「ルメール夫人とプルースト」(岩波図書 2021年12月号)
出世競争する若者たちはこぞって上流階級のサロンに出入りするが、そのサロンを主催する夫人たちにもまた、出世争いがあった……いうのが、プルーストが『失われた時を求めて』の中で、「薔薇の花の画家」ルメール夫人がモデルの一人と…
【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語10「グレフュール伯爵夫人」(岩波図書 2021年11月号)
マルセル・プルーストは、今でこそ二〇世紀文学の金字塔『失われた時を求めて』の著者として名高いが、初巻刊行当時は単なる社交界評論家と思われていた。実際に、一九〇三ー四年には「ドミニック」「ホレーショ」という筆名でマチルド…
【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語9「ポリニャック大公妃」(岩波図書 2021年10月号)
シンガー・ミシンの創設者の娘に生まれ、七月革命で退陣したシャルル一〇世の大臣の息子と結婚したポリニャック大公妃がコルタンベール街とアンリ・マルタン街で開いたサロンは、時期的にサン=マルソー夫人のそれと不思議なほど重なっ…
【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語8「オギュスタ・オルメスとジュディット・ゴーティエ」(岩波図書 2021年9月号)
オギュスト・ルノワールに『マンデスの三人の娘たち』という有名な絵がある。髪をリボンで結んだ幼い少女はマホガニー色のピアノにもたれかかり、少し年上の娘はヴァイオリンを持ち、年長の娘は片手で犬を抱きながら片手を鍵盤にかけて…
【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語7「サン=マルソー夫人」(岩波図書 2021年8月号)
一八七五年から一九二七年、つまり半世紀以上にわたって催されていたマルグリット・ド・サン=マルソー夫人の「金曜日」は、一九世紀末からベルエポックにかけてさまざまな出会いの場になった。 「モーリス・ラヴェルに会ったのは、…
【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語6「ドビュッシーとサロン」(岩波図書 2021年7月号)
クロード・ドビュッシー(一八六二ー一九一八)の父親がパリ・コミューンで逮捕されたことは前に書いた。作曲家が完全な沈黙を守ったため、生前には誰もそのことを知らなかった。ヴェルレーヌ−ランポー事件の目撃者だったことも。 …


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- 「ピアノと文筆。阿佐ヶ谷文士の傍らで」(広報すぎなみ 2022年11月15日 No.2341)
- 「ヴィンテージピアニストの魅力 終わりに」(音遊人 2022年冬号)