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【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語6「ドビュッシーとサロン」(岩波図書 2021年7月号)

 クロード・ドビュッシー(一八六二ー一九一八)の父親がパリ・コミューンで逮捕されたことは前に書いた。作曲家が完全な沈黙を守ったため、生前には誰もそのことを知らなかった。ヴェルレーヌ−ランポー事件の目撃者だったことも。  …

【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語5「ガブリエル・フォーレとサロン」(岩波図書 2021年6月号)

 ガブリエル・フォーレ (一八四五−一九二四)の、とりわけ前半生はサロンの音楽家として知られた。ポーリーヌ・ヴィアルド夫人、クレール家、サン・マルソー夫人、マドレーヌ・ルメール、グレフユール伯爵夫人、ポリニャック大公妃、…

【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語4「ポーリーヌ・ヴィアルド」(岩波図書 2021年5月号)

 『アルチスト』誌に載ったニナ・ド・ヴィヤール夫人のパリ・デビュー演奏会の批評には、彼女がアンリ・エルツやアントワーヌ・マルモンテル(ドビュッシーのパリ音楽院時代の先生)とともに、オペラ歌手ボーリーヌ・ヴイアルドにも習っ…

【連載】「ヴィンテージ・ピアニストの魅力 第35回 ラドゥ・ルプー」(音遊人 2021年夏号)

ルーマニアのピアニスト、ラドゥ・ルプーは二〇一八〜一九年のシーズンを限りに引退を表明した。一九四五年生まれだからまだ七十五歳。四四年生まれのリュビモフも、マリア・ジョアン・ピレシュも引退を表明しているが、やや早い印象があ…

【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語3「ニコレ街一四番地」(岩波図書 2021年4月号)

 パリの地下鉄四号線をシャトー・ルージュ駅で降り、キュステユーヌ通りをのぼり、交差するラメ通りを少し戻って右折したあたりに、ニコレ街という小さな通りがある。治安の悪い一八区にしては瀟洒な町並みだ。  アパルトマンの壁には…

【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語2「団扇と夫人」(岩波図書 2021年3月号)

 オルセー美術館に所蔵されているマネの『団扇と夫人』は印象的な絵だ。黒髪の女性がひじをつき、長椅子の上でトルコのサルタンのようなポーズで寝そべっている。  決して美人ではないが、印象に残る風貌だ。二重の目は大きく、目尻が…

【連載】「ヴィンテージ・ピアニストの魅力 第34回 フー・ツォン」(音遊人 2021年春号)

コロナウイルスの感染拡大が続く二〇二〇年暮れ、フー・ツォンが他ならぬコロナ感染で亡くなったという衝撃的なニュースが飛び込んできた。 一九三四年生まれの八十六歳。一九五五年のショパンコンクールで東洋人初の第三位に入賞し、併…

【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語1「サロンという登竜門」(岩波図書 2021年2月号)

若く、無名でお金のない芸術家が世に出る手段は、そうは多くない。二一世紀のこんにちでは、それがショパン・コンクールだったりチャイコフスキー・コンクールだったりするわけだが、一九世紀は貴族やブルジョワのサロンがその役割を果た…

【連載】「ヴィンテージ・ピアニストの魅力 第33回 アンドレ・ラプラント」(音遊人 2020年冬号)

基本的に七十歳以上のピアニストを集中して聴いてきてつくづく考えるのは、コンクールとのかかわりである。高い趣味をもった貴族や上流階級のサロンに出入りしてデビューのきっかけをつかんだ時代とは違い、現在ではより民主的なコンクー…

【連載】「ヴィンテージ・ピアニストの魅力 第32回 マルタ・アルゲリッチ」(音遊人 2020年秋号)

二〇二〇年六月二十七日朝、フェイスブックでいきなり衝撃の動画が飛び込んできた。なんと、マルタ・アルゲリッチがソロでショパン『ピアノ・ソナタ第三番』を弾いているのだ。 収録は二日前でハンブルクのコンサートホール、ライスハレ…

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