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【連載】ウェーバー 「舞踏への勧誘」(なごみ 2018年10月号)

ウィンナ・ワルツの雛形になった ウェーバー「舞踏への勧誘」  誰でも知っている「美しき青きドナゥ」。ヨハン・シュトラウス二世が書いた代表的なウィンナ・ワルツだ。  ドナウ河のさざなみを思わせるイントロについで、浮き浮きす…

【連載】第1回 ショパン「別れのワルツ」(なごみ 2018年1月号)

  「別れのワルツ」として親しまれているショパンの「ワルツ作品69-1」は、ためらいがちな右手のイントロで始まる。波のように揺れて左手に受け止められ、また揺れて……だんだん沈んできたところで一挙に浮き上がり、思いのたけを…

【連載】モーツァルト「お母さまきいてちょうだい」(なごみ 2018年9月号)

「きらきら星」が12通りに展開する タイトルはフランス語で「ヴ・ディレ=ジュ・ママン」。 直訳すると、「ママ、私はあなたに何を申しましょうか」。フランス語特有の理屈っぽい言いまわしだが、実際には「ねぇねぇ、お母さんたら」…

【連載】メンデルスゾーン「甘い思い出」(なごみ 2018年7月号)

二重唱のように豊かなメロディ メンデルスゾーンの「無言歌集」は、はじめて弾いたロマン派の音楽だった。 子どものころは手が小さいから、ハイドンやモーツァルトなど古典派の作品を課題にいただく。背が低くてペダルが踏めない(昔は…

【連載】フォーレ「言葉なきロマンス」(なごみ 2018年6月号)

貴婦人を魅了した、歌詞なき歌曲 フォーレはパリの上流階級のサロンで活躍した作曲家だった。当時はこんにちほどコンサートがさかんではなく、芸術を愛する貴族の妻、政財界の大物の夫人たちのサロンは、新しい音楽の演奏の場として重要…

【連載】シューベルト「即興曲」(なごみ 2018年5月号)

小品に連なる陽気と憂愁 シューベルトは泣き笑いの作曲家だと思っている。 わずか三十一歳でこの世を去ったのだから、もちろん悲劇的ではあるのだが、幸福な家庭に育ち、友人に恵まれ、「シューベルティアーデ」という集まりでピアノを…

【連載】シューマン「アラベスク」(なごみ 2018年4月号)

旋律が描く、からくさ模様 攻撃的な「フロレスタン」と夢みる「オイゼビウス」というキャラクターをつくり、自らも二面性に悩まされたロマン派の大作曲家シューマン。「アラベスク」は、「オイゼビウス」が見た夢の象徴のような、不思議…

【対談】交錯する魂 ドビュッシーとプルースト 青柳いづみこ×吉川一義(ふらんす 2018年3月号)

【特集】没後100年ドビュッシーの世紀 1918年3月この世を去った、不世出の大作曲家ドビュッシー。 その後のクラシック音楽に新たな地平を開いた、偉大なる芸術家の足跡をたどります。 ——&#821…

【連載】ベートーヴェン「熱情ソナタ」(なごみ 2018年3月号)

たった三音で作られた壮大な楽曲 ベートーヴェンの「熱情ソナタ」は、回文みたいだと思っている。 ソナタは、男性的な性格の第一主題と女性的な第二主題から成っている。 「熱情ソナタ」の第一楽章は「ドーラ♭ファー」という第一主題…

【連載】ドビュッシー「ボヘミア風舞曲」(なごみ 2018年2月号)

「ボヘミア風舞曲」は、印象派の巨匠クロード・ドビュッシーが18歳で書いた最初のピアノ曲である。有名な「月の光」のような、響きがゆらぐような作風とは違う。どこか遊園地のジンタを思わせるもの悲しい作品で、跳ねるようなリズムが…

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