青柳いづみこ ピアニスト・文筆家
安川加壽子、ピエール・バルビゼの各氏に師事。フランス国立マルセイユ音楽院首席卒業。1980年のデビュー・リサイタルは毎日新聞紙上で大木正興氏に絶賛される。83年、東京芸術大学大学院博士課程に再入学。89年、論文『ドビュッシーと世紀末の美学』により学術博士号。1990年、武満徹・矢代秋雄・八村義夫作品を集めた『残酷なやさしさ』により、平成2年度文化庁芸術祭賞。
演奏と執筆を両立させる希有な存在として注目を集めており、これまでリリースした15枚のCDが『レコード芸術』誌で特選盤となるほか、師安川加壽子の評伝『翼のはえた指』（白水Uブックス）で第９回吉田秀和賞、祖父の評伝『青柳瑞穂の生涯』（平凡社ライブラリー）で第49回日本エッセイストクラブ賞、『6本指のゴルトベルク』(岩波書店)で第25回講談社エッセイ賞、CD『ロマンティック・ドビュッシー』(カメラータ)で第23回ミュージックペンクラブ音楽賞を受賞している。
1989～2000年まで《ドビュッシー・シリーズ》開催。2008年にはドビュッシー没後90周年を記念して、全4回のコンサート《ドビュッシー・シリーズふたたび》を開催。７枚目のCD『ドビュッシーの時間／版画・練習曲集』(カメラータ) は2008年度日本レコートアカデミー賞にノミネートされる。同年、日本初の知的障害者施設・滝乃川学園で発見された最古級のアップライト・ピアノを演奏するとともに、朗読を通じて旧所有者石井筆子の業績を紹介したCDアルバム『天使のピアノ』(カメラータ)も『レコード芸術』誌特選盤となる。
2009年9月にはエドガー・アラン・ポー生誕200年を記念して、浜離宮朝日ホールにて『音楽になったエドガー・アラン・ポー～ドビュッシー「アッシャー家の崩壊」をめぐって～』を開催、11月には同パリ公演も果たした。
2010年5月～6月、日本ショパン協会主催「ショパン・フェスティバル」に出演。9月、浜離宮朝日ホールにて『大田黒元雄と「音楽と文学の仲間たち」』を開催。10月には初の小説『水のまなざし』(文藝春秋)刊行。
2011年7月、筑摩書房より『グレン・グールド未来のピアニスト』刊行。9月には、パリ音楽院教授クリストフ・ジョヴァニネッティ氏を招き、東京はじめ各地にてデュオ・コンサートを開催。
2012年5月、クリストフ・ジョヴァニネッティ氏と神戸新聞松方ホールをはじめ関西各地にてデュオ・コンサートに出演。9月、ドビュッシー生誕150年記念連続コンサート「ドビュッシーと文学キャバレ『黒猫』の仲間たち」を浜離宮朝日ホールにて開催、好評を博す。同月、CDアルバム『ドビュッシーの神秘』（カメラータ）とエッセイ集『ドビュッシーの散歩』（中央公論新社）を同時刊行、新聞・雑誌で話題を呼ぶ。
2013年5月、『ラ・フォルジュルネ音楽祭』に出演(以降、201９年まで毎年出演) 。9月には、クリストフ・ジョヴァニネッティとのデュオ・アルバム『ミンストレル』（コンティニュオ・クラシックス）のリリースを記念して、東京にて２夜連続コンサートを開催。同月、『アンリ・バルダ神秘のピアニスト』（白水社）を刊行。
2014年～17年まで、ドビュッシー没後100年に向けて全5回の『カンウトダウン・コンサート』を開催。書籍は2014年5月、『ピアニストたちの祝祭』(中央公論新社)、10月、『どこまでがドビュッシー？』(岩波書店)、2015年3月、『青柳いづみこのMERDE!日記』(東京創元社)、2016年9月、『ショパン・コンクール・最高峰の舞台を読み解く』(中公新書)を刊行。CDは作曲家・ピアニスト高橋悠治の協力を得て、2016年に『大田黒元雄のピアノ』(コジマ録音)、2017年に『春の祭典・ペトルーシュカ』(アールレゾナンス)をリリース。
2018年3月、浜離宮朝日ホールにて『ドビュッシー没後百年記念 命日前日メモリアル・コンサート』開催。4月、監修アルバム『ドビュッシーの墓』(アールレゾナンス)、ソロアルバム『ドビュッシーの夢』(コジマ録音)、7月、CDブック『おもちゃ箱』(学研プラス)を刊行。9月、『高橋悠治という怪物』(河出書房新社)を刊行。10月にはDVD付き『ドビュッシー ピアノ曲の秘密』(ONTOMO MOOK)、12月には『ドビュッシーを最後の1年』(中央公論新社)刊行。
2019年１月、白寿ホールにて、エドガー・アラン・ポーにもとづくドビュッシー未完のオペラ『アッシャー家の崩壊』補筆版をコンサート形式で上演。11月、猿楽祭の一環として代官山ヒルサイドプラザにて『ドビュッシーとパリの詩人たち』開催。同月、若手音楽家との対談集『音楽で生きていく！』（アルテスパブリッシング）刊行。
2020年１月、浜離宮朝日ホールにて、演奏生活４０周年記念リサイタルを昼夜にわたって開催。２月、高橋悠治の協力を得て連弾とソロによるアルバム『６人組誕生！』（コジマ録音）リリース。10月、猿楽祭の一環として代官山ヒルサイドプラザにて『花の物語、花の音楽』開催。11月、エッセイ集『阿佐ヶ谷アタリデ大ザケノンダ』（平凡社）刊行。12月、ピアニスト・森下唯、指揮者・田部井剛の協力を得て６手２台ピアノによるＣＤ『海』（Ottavaレコード）をリリース。
2021年２月には、高橋悠治の協力を得て連弾とソロ、朗読による『物語』（コジマ録音）リリース予定。
日本ショパン協会理事、日本演奏連盟理事、日本ピアノ教育連盟評議員。大阪音楽大学名誉教授、神戸女学院大学講師。
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