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【連載】「音楽家の愉しみ 第10回 神鍋(かんなべ)の夜」(音遊人2025年夏号)

二〇二五年三月二六日は、母方の郷里、兵庫県養父市のホールで開催された曹洞宗梅花流・御詠歌の大会にゲスト出演した。  祖母が曹洞宗の信者だったため、般若心経や修証義はよく唱えるのを聴いていた。唱えるだけでも節がつくが、御詠…

【連載】「音楽家の愉しみ 第9回 燕三条の夜」(音遊人2025年春号)

 二〇二四年一二月一日(日)は燕三条でコンサート。前日の一一月三〇日(土) 午後から現地入りし、会場のまちやまサイエンスホールでたっぷり二時間リハーサル。  使用楽器は、一九三〇年製のフランスのピアノ、エラール。『昔の歌…

【連載】「音楽家の愉しみ 第8回 京都の夜」(音遊人2024年冬号)

二〇二四年九月、フランスのヴァイオリン奏者、クリストフ・ジョヴァニネッティが来日、関西を起点に各地で演奏会を行った。  ジョヴァニネッティはマルセイユ音楽院時代の同級生。ルーマニアのブカレスト音楽院を経てパリ音楽院の室内…

新・家の履歴書 第922回(週刊文春 2025年3月23日号)

かつて文士たちが集った家。 今は、グランドピアノの音色が響いています。  ピアノはずっとやめるタイミングを計ってたのに、やめそびれちゃった。私はピアニストとしては手が小さくて指が短いから、マッチする曲は限られているし、い…

文豪が近所に居住「文士村」(2025年1月7日付 読売新聞朝刊文化面)

昭和を歩く~(2)~ 青栁瑞穂宅 大宰ら出入り 旧宅・ゆかりの建物保存の保存の動き  JR阿佐ヶ谷駅(東京都杉並区)から南西に向かい、静かな住宅街の細い路地を歩いていると、玄関先にサザンカやアケビを植えた木造家屋が見えて…

7週間でスペイン語を学ぶ→高校を中退→20代で翻訳者に…音楽評論家・濱田滋郎の恐るべき“独学人生”(週刊文春 2024年12月5日号)

青柳いづみこが『なんでかなの記』(濱田滋郎 著)を読む   本書の著者で、2021年に86歳で亡くなった濱田滋郎さんは、日本におけるスペイン語圏文化の元締めのような存在だった。日本フラメンコ協会会長、清里スペイン音楽祭総…

【連載】「音楽家の愉しみ 第6回 おうちごはん」(音遊人2024年夏号 )

 料理は小学校の頃から作っていた。母は、兵庫県の実家で一人暮らしをする祖母の面倒を見るため、ひと月ほど家を空けることがあった。  その間は、大学で教員をしていた父の夕食を作る。研究室の助手さんがレシピ集をプレゼントしてく…

【連載】「音楽家の愉しみ 第7回 ベルリンの夜」(音遊人2024年秋号 )

 二〇二四年六月二十日、パリでの演奏会の翌日、ベルリンに飛んだ。  以前からお世話になっている竹谷サロンでは、ベルリン芸大在学中の新進ピアニスト、秋山紗穂さんとの共演。シューベルトの連弾曲『ロンドイ長調』と『幻想曲へ短調…

創る・造る・作る「美しい時間」(月報KAJIMA 2024年5月号)

長い間、クラシックの演奏家は「つくる」ことを許されない職種だった。過去に作曲された偉大な作品を演奏する。楽譜に記された情報を的確に読み取り、個人的な感情をさしはさまず、ふさわしい技巧によって作曲家の意図を忠実に再現する。…

いま、知っておくべき“新常識” 近年の研究に基づくショパンノ演奏の傾向(ムジカノーヴァ2024年5月号)

その奏法、古いかも? 様式感の”新常識” いま、知っておくべき”新常識” 近年の研究に基づくショパンの演奏の傾向 文 青柳いづみこ コチャルスキが弾く左右の手の“ずれ” ラウール・コチャルスキ(1885-1948)の弾く…

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