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【連載】「花々の想い…メルヘンと花 1」(華道 2004年1月号)

マルシャーク「森は生きている」 英名はスノードロップ(雪の雫)。雪の間から顔をのぞかせる。 アダムとイヴが楽園から追放されるとき、たまたま雪が降っていた。悲しむイヴを見た天使は、冬かすぎれば春が来るからとなぐさめ、舞い落…

【連載】「作曲家をめぐる〈愛のかたち〉第4回」(新日本フィルハーモニー交響楽団 2004年1月号)

プログラムエッセイ ワルツの〈愛〉 ワルツ王ヨハン・シュトラウスの伝記作者フランツ・エンドラーは、「ワルツはまだその名前が確定していなかった時期から、すでにひじょうにエネルギッシュで、官能的で、人を刺激し、興奮させる踊り…

【連載】「作曲家をめぐる〈愛のかたち〉第3回」(新日本フィルハーモニー交響楽団 2003年12月号)

プログラムエッセイ 嫉妬という名の〈愛〉 初演時には「田園生活の思い出」というタイトルがついていたベートーヴェンの『交響曲第6番』は、作曲家の自然への〈愛〉から生まれた。 かなり好戦的な人間で女好きでもあったベートーヴェ…

【連載】「作曲家をめぐる〈愛のかたち〉第2回」(新日本フィルハーモニー交響楽団 2003年11月号)

プログラムエッセイ 表明される愛 音楽は、本質的に抽象的なものである。いくら音で描写しても、概念が明確に固定されないのだから、印象も固定されない。作曲家がこんな感動を与えたいと思っても、聞き手の方では全く別な風に受け取る…

【連載】「作曲家をめぐる〈愛のかたち〉第1回」(新日本フィルハーモニー交響楽団 2003年10月号)

プログラムエッセイ 立ちのぼる愛 音楽は「愛」そのものだ、と思うことがある。母性愛、異性愛、友愛、師弟愛・・・。愛に言葉はいらないっていうじゃないですか。ドビュッシーは言った。「言葉がとだえたところから音楽がはじまる」。…

【連載】「本をめぐる随想 川上弘美短編集『龍宮』」(終)(月刊和楽 12月号)

玉手箱のように言葉が立ちのぼってくる川上弘美の短編集『龍宮』の中の一遍 「海馬」は海にも、人間界にもなじめない 『龍宮』のと題された川上弘美の短編集を開いたとき、中から、本当に玉手箱のように言葉が立ちのぼってきた。 ウラ…

【連載】「本をめぐる随想 評伝『玉川上水情死行』」(月刊和楽 11月号)

“オム・ファタル”太宰治の「最後の心中」につきそった。  山崎富栄の評伝『玉川上水情死行』 1930~40年代の日本に出現した「宿命の男」 「ファム・ファタル」というフランス語がある。「宿命の女」とか「運命の女」と訳され…

【連載】「青柳いづみこのひとりごと3(終)」(読売新聞 Monday WOMAN 2002年10月28日夕刊)

片付けても 半日で散らかす私 モノ書きの部屋、というのは、散らかっていていいことになっているらしい。よく雑誌などで「……先生の書斎」というグラビア記事を見かけるが、本棚にはいりきらなかった本が机の上に積み重なり、それだけ…

【連載】「青柳いづみこのひとりごと2」(読売新聞 Monday WOMAN 2002年10月21日夕刊)

いとおしい 施設に入った母 疲れると、夢を見る。 施設に入所している母が、タクシーで帰ってきてしまう夢だ。しかも、何も洋服を着ていない。身長153センチの私と違い、母は背が高く、がっしりしている。その母をかかえて、叱りつ…

【連載】「青柳いづみこのひとりごと1」(読売新聞 Monday WOMAN 2002年10月7日夕刊)

椅子にきちんと坐るのは難しい ある会社の社長サンから、面白い品が送られてきた。べっこう飴に似た色のシート。 一センチ角のサイコロ状の突起が並んでいて、指で押すと、ぷにゅ、ぷにゅ感が何ともいえない。 娘も、「キモーイ」かな…

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