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【連載】「PICK UP 春を呼ぶ一枚」(芸術新潮 2014年5月号)

小林沙羅『花のしらべ』(通常版) 日本コロムビア2800円(税別) 青柳いづみこ選・文 シューベルト「野ばら」、モーツァルト「すみれ」をはじめ、花にちなんだ名曲を編んだアルバムである。まさにジャスミンのようにかぐわしい歌…

【連載】 「フレンチ・ピアニズムの系譜 第1回 コルトーとラザール・レヴィ」(NHK文化センター会員誌 2014年春号)

手元に1枚のディスクがある。 「1950年代の日本で演奏した三人のフランス人ピアニスト」。 1950年10月、戦後初めての外国人招聘アーティストとして来日したラザール・レヴィは、安川加壽子や原智恵子の恩師で、当時68歳。…

【連載】「音楽という言葉—記憶の中にある祖母の庭 (終)」(神戸新聞 2012年12月22日)

モノを書いたりピアノを弾いたりしていると、遠い親戚の方からご連絡をいただくことがある。 つい先日も、神戸在住のピアノ講師の方からHP経由でメッセージをいただいた。亡き祖母は養父市の旧家の一人娘で、家を継ぐために祖父と養子…

【連載】「音楽という言葉—偏屈なピアニストの繊細さ 」(神戸新聞 2012年9月29日)

今夏、神戸のさる楽器店で、フランスのピアニスト、アンリ・バルダによる講習会が開かれた。 バルダは、神戸新聞松方ホールにも出演しているからご存じの方もいるかもしれない。かの名ピアニスト、マルタ・アルゲリッチと同い年である。…

【連載】「音楽という言葉—一音一音が人生そのもの」(神戸新聞 2012年6月30日)

高校はどちらですか? ときかれ、ゲイ高と答えるとはっとした顔をされる。ゲイの学校? いえいえ、東京芸術大学音楽学部音楽高等学校。日本で唯一の国立の音楽高校(クラシックと邦楽)である。おそらく日本最小の高校のひとつだろう。…

【連載】「音楽という言葉—やさしい、やさしい『月の光』」(神戸新聞 2012年3月31日)

月に一回、都内某所でフランス音楽のセミナーを開いている。受講生の顔ぶれはさまざまだ。若手からベテランのピアニストまで。ピアノの先生、作曲家、企業に勤めながら趣味でピアノをつづけている人。 最近の新入生Nさんは元ピアニスト…

【連載】 随想 「心に届く音(終)」(神戸新聞 2011年4月19日夕刊)

関西で開かれる新人オーディションの審査をつとめている。ピアノと声楽部門に分かれ,東京と大阪で予選を行う。 しかし,今年は東日本大震災の影響で東京が中止になってしまった。 多くの受験生が大阪での参加を希望したため,急遽大阪…

【連載】 随想「スーパーの棚」(神戸新聞 2011年3月29日夕刊)

東北・関東大震災の発生した日にパリからの飛行機に乗っていた私は、成田が閉鎖していたため中部空港に降り、関西方面の仕事をすませて帰京した。 家族の誕生日だったので、パリみやげのチーズやワインをもとにささやかな晩餐を準備した…

【連載】 随想「雲の上で知った地震」(神戸新聞 2011年3月15日夕刊)

東日本大地震が起きたとき、私は成田空港上空にいた。  パリからの飛行機が着陸態勢にはいると知らされたまま、いっこうに到着する気配がない。関東地方で地震が発生したため、このまま中部空港に向かうとのアナウンスがあった。家族は…

【連載】 随想 「鳩さん、かわいそう」(神戸新聞 2011年2月25日夕刊)

ハト屋大丈夫かなぁ。 伊豆の観光旅館のことではない。エジプト情勢を見聞きするにつけ、カイロの葉と料理専門店のことが心配でならないのだ。 カイロを訪れたのは3年ほど前、大学院生の娘と一緒だった。娘のほうは観光目的だったが、…

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