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【連載】「3つのアラベスク—宮城道雄とドビュッシーをめぐる随筆(終) 第三回 水に憑かれた作曲家」(宮城会会報224号 2016年1月号)

宮城道雄の作品表をみると、水にちなんだ作品がとても多く、ついついドビュッシーを連想する。 名作『春の海』(一九二九)は、正月中旬に皇居でとりおこなわれる歌会始の御題「海辺巖」にもとづき、かつて訪れた瀬戸内海の島々を思い浮…

【連載】「青柳いづみこの指先でおしゃべり(終)ショパン・コンクール私見」(ぶらあぼ 2015年12月号)

第17回ショパン・コンクールも韓国のチョ・ソンジンの優勝で幕を閉じた。 日本からは小林愛実がファイナリストとなり、入賞は逃したものの10年ぶりの快挙だった。 優勝したチョ・ソンジンは王道を行く選曲で、全ラウンドを通じて完…

【連載】「青柳いづみこの指先でおしゃべり 第14回 “神秘のピアニスト”の来日公演」(ぶらあぼ 2015年11月号)

ピアノ弾きとモノ書きを兼ねていると、ときどき滑稽な事態に陥る。 その昔、二期会が上演するドビュッシーのオペラ《ペレアスとメリザンド》のプログラムに執筆したことがある。編集人は、今は二期会21で敏腕マネージャーとして活躍し…

【連載】「青柳いづみこの指先でおしゃべり 第13回 大田黒元雄の「ピアノの夕べ」のこと」(ぶらあぼ 2015年10月号)

大田黒元雄(おおたぐろ・もとお)(1893〜1979)の名をきいたことのある人は、よほどの音楽通だろう。 日本の音楽評論の草分けだが、戦後はNHKラジオ『話の泉』に出演したぐらいで、東京都杉並区荻窪の広大な邸宅(現大田黒…

「3つのアラベスク—宮城道雄とドビュッシーをめぐる随筆 第二回 ジャンルを越えて」(宮城会会報223号 2015年9月)

「フランス印象派音楽と近代日本」という副題をもつ佐野仁美『ドビュッシーに魅せられた日本人』(昭和堂)は、明治以降の洋楽黎明期におけるフランス音楽受容を扱ったすぐれた評論である。 永井荷風、上田敏など文学者によるフランス音…

【連載】「青柳いづみこの指先でおしゃべり 第12回 ヴェヴェイで何が起こったか?」(ぶらあぼ 2015年9月号)

フランス留学時代、レマン湖のほとりの町ヴェヴェイで開催された夏期講習会に参加したことがある。 宿泊したのは、土地の名士の広大な邸宅。伯爵だか侯爵だか、由緒正しい貴族の家柄らしく、壁にはい かめしい紋章の数々が飾られている…

【連載】「青柳いづみこの指先でおしゃべり 第11回 チャイコフスキー・コンクールに想う」(ぶらあぼ 2015年8月号)

第15回チャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門は、27歳のロシア人、ドミトリー・マスレエフの優勝で幕を閉じた。 今年はショパン・コンクールの予備予選を聴きに行ったのだが、正直、びっくりするほど一部ロシア人ピアニストの…

【連載】「青柳いづみこの指先でおしゃべり 第10回 杉本秀太郎さんの思い出」(ぶらあぼ 2015年7月号)

5月28日、若者たちが連日熱演をくりひろげている「ショパン・フェスティバル2015in表参道」の会場をそっと抜けて新幹線に乗り、京都に赴いた。フランス文学者の杉本秀太郎(ひでたろう)先生の通夜・告別式に出席するためである…

【連載】「青柳いづみこの指先でおしゃべり 第9回 ショパコン予備予選でのドラマ」(ぶらあぼ 2015年6月号)

秋に開かれる第17回ショパン・コンクールの予備予選の取材のため、ワルシャワに聴きに行ってきた。期間は4月13日から12日間。書類・DVD審査に合格した158名(欠席6名)がエチュード、ノクターン、マズルカのうち10分程度…

「3つのアラベスク—宮城道雄とドビュッシーをめぐる随筆 第一回 東と西の出会い」(宮城会会報222号 2015年5月巻頭エッセイ)

明治以来、日本の作曲家は西洋の作曲家を手本に道を切り拓いていった。 黎明期の滝廉太郎(一八七九~一九〇三)はドイツに留学し、メンデルスゾーンが設立したライプツィヒ音楽院に学んだが、肺結核を患って帰国。二十三歳の若さで亡く…

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