【連載】「PICK UP フランス的洗練」(芸術新潮 2015年2月号)

ウィリアム・クリスティ(指揮)
レザール・フロリサン(楽団&合唱団)
ラモー『ダフニスとエグレー/オシリスの誕生〜ラモーは舞踏の達人のごとく〜』

マーキュリー 4800円(税別)
青柳いづみこ選+文

フランス的洗練

ジャン=フィリップ・ラモーのオペラ=バレエを再現した、優雅な映像作品。
ウィリアム・クリスティ率いる古楽器アンサンブルによる18世紀流の演出・演奏なのだが、実はとても身近なテーマを扱っている。
『ダフニスとエグレー』は、男女の愛の物語。
「友情」を奉る神殿に詣でるダフニスとエグレーは、永遠の友情を誓いあう。彼らをとりまく人々も、愛の狂気は不幸をもたらす、友情だけが心を満たす、と祝福する。ところが、カップルが神殿にお参りすると雷が鳴り、怒った神官が、お前たちが抱いている感情は神の意に反していると叫ぶ。そこではじめて2人は、自分たちが愛し合っていたことに気づくというストーリー。

踊り手−歌い手たちの衣装がすばらしい。宮廷ふうの豪華な素材ではなく、皮革や麻布を効果的に使い、茶系のシックな色合いが現代にも通じるエレガンスを演出している。

2015年2月11日 の記事一覧>>

より

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