ショパン・コンクール(サラサーテ 2026年1月号)

第19回ショパン国際ピアノコンクール

全ステージレビュー
  
ファイナル
2025年10月18日〜20日

出演者(演奏順)

57 リ・テイエンヨウ Tianyou Li 21歳/中国
62 エリック・ルー Eric Lu 27歳/アメリカ
64 リュー・ティエンヤオ Tianyao Lyu 16歳/中国
73 ヴィンセント・オン Vincent Ong 24歳/マレーシア
81 進藤実優 Miyu Shindo 23歳/日本
5  ワン・ジートン Zitong Wang 26歳/中国
15 ウィリアム・ヤン William Yang 24歳/アメリカ
24 ピオトル・アレクセヴィチ Piotr Alexewicz 25歳/ポーランド
29 ケヴィン・チェン Kevin Chen 20歳/カナダ
47 ダヴィド・ブリクリ David Khrikuli 24歳/ジョージア
51 桑原志織 Shiori Kuwahara 29歳/日本

※年齢は2025年10月日時点のもの

課題曲

・《幻想ポロネーズ》作品61を演奏すること
・協奏曲第1番または第2番から1曲を選び、演奏すること

使用ピアノメーカー名:楽器 & 機種名(シリアルナンバー)
スタインウェイ:Steinway D-274(D611479)
カワイ    :Shigeru Kawai SK-EX(2740795)
ファツィオリ :Fazioli F278(2783701)

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10月18日(土)18th October 6 p.m.
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リ・ティエンヨウ Tianyou Li
21歳/中国
曲目:《幻想ポロネーズ》変イ長調作品61
   協奏曲第1番ホ短調作品11
使用ピアノ:スタインウェイ

 第3次審査で《〈お気に召すまま〉の主題による変奏曲》で大喝采を浴びたリ・ティエンヨウ。卓越した技巧と知的なアプローチでファイナルに進出。今大会は演奏順がラウンドごとに6文字ずつずれるため、ファイナルでは彼がトップバッターという不利はあったかもしれない。
《幻想ポロネーズ》はたっぷりした出だし。右手の問いかけに左手が応える。ポロネーズ部分はピアノの中音部域の鳴りが悪く、旋律が充分伝わってこないもどかしさがあった。変口調への転調で音域が上がると音が伸びるようになり、持ち前のドラマティックなスタイルが活きてくる。ラストは余裕たっぷりで、上を歌わせながら左手のオクターヴを自在に入れる。テンポが上がってもオクターヴがきちんとフレージングされるのはさすがる
 協奏曲第1番の第1楽章は遅めのテンポで丁寧に演奏されたが、もう少し沸き立つようなパッションが欲しかった。第3楽章になると、水を得た魚のように溌刺とした演奏を展開。ロンド主題のリズムを思いきり弾ませ、副主題もくるくると表情を変えて魅力的だった。

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エリック・ルー Eric Lu
27歳/アメリカ
曲目:《幻想ポロネーズ》変イ長調作品61
協奏曲第2番へ短調作品21
使用ピアノ:ファツィオリ

 新たな免除枠拡大の最大の享受者。2015年ショパン・コンクール
の第4位でもあり、プレッシャーはいかばかりだったかと推察される。
第3次審査では「体調不良」で順番を最後に回して心配されたが最高
点で通過、ファイナルも見事な演奏だった。
《幻想ポロネーズ》では背もたれのあるパイプ椅子を使用。2025年
の時に定着した「夢みるように弾く」という代名詞の通り、ゆったりした
テンポで深い精神性を湛えた演奏。一方であまりにも心を閉ざしすぎ
ているような気もした。
 協奏曲では、普通のピアノ椅子に戻しての演奏。第2番の繊細なリ
リシズムはルーの資質にぴったりで、第2楽章では、ひたひたと寄せて
は返す音楽の波に魅せられた。テンポが遅い印象のあるルーだが、舞
踊ものも得意で、第3楽章ではさまざまに表情を変化させながら歌う
メロディと、しなやかにはずむマズルカのリズムの対比が印象的だった。
 精密なテクニックを持ち、技巧的な部分では一躍快速のテンポでク
リアに、確実に弾く。師のダン・タイ・ソン以来45年ぶりの第2番で
の優勝に輝いた。

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リユー・テイエンヤオ Tianyao Lyu
16歳/中国
曲目:《幻想ポロネーズ》変イ長調作品61
   協奏曲第1番ホ短調作品11
使用ピアノ:ファツィオリ

 ファイナルの翌日にようやく17歳を迎える中国の新星。キレの
良いテクニックと活き活きとした音楽性でファイナルに進出してきた。
 そんな彼女にとっても、《幻想ポロネーズ》はかなり身の丈に余
る作品。冒頭の和音はあまり出さず、徐々に積み上げていく手法。
ポロネーズ部分では、メロディの音があまり伸びない。和音にはも
う少し重量感が欲しかったし、リズムもこの作品にしては可愛らし
くはずみすぎのような気がする。クライマックス部分も、腰を浮かせ
て体重をかけて熱演したものの、ややミスが多くなった。
 協奏曲第1番は青春時代の作品なので、水を得た魚のようにふ
んだんに魅力をふりまいていた。第1主題の歌い方は初々しく、音
もよく鳴っている。オーケストラに乗って表情豊かに弾き進む。第2
楽章もよく伸びる音で高らかに歌う。3度のパッセージや装飾もき
れいだった。第3楽章はキラキラした音で元気いっぱいに演奏され
た。空気の入れ方がとてもうまい。6連音符がよくまわること。カデ
ンツァの表情もくるくる変え、最後まで溌刺と弾き切り、協奏曲賞
を獲得した。

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ヴィンセント・オン Vincent Ong
24歳/マレーシア
曲目:《幻想ポロネーズ》変イ長調作品61
   協奏曲第1番ホ短調作品11
使用ピアノ:カワイ

 マレーシアのオンは小柄な身体ながら自分で自分を指揮するよう
な自在な演奏ぶり。《幻想ポロネーズ》は重量感のある出だしで、
装飾部分とのコントラストが面白い。ポロネーズ部分は上声と内声
の対話、雄弁な左手など、対位法的な面を強調する。コラールは深々
と、左手と右手の歌い合いもたっぷりと。再現部でふっと途切れた
間が印象的だった。3段階に積み上げコーダへ。左手のオクターヴ
は縦横無尽、テンポを落としてたっぷり歌い、風格あるラストだった。
 協奏曲第1番も間のとり方がうまく、オーケストラとの対話も巧み
で、音楽的容量の広さを感じさせた。ルバートをきかせても、ポイン
トとなる音をマークする余裕がある。第1楽章の再現部では極端に
音量を絞り、前大会の小林愛実を彷彿とさせた。第2楽章の主題、
1度目は切々と歌いあげ、2度目は装飾を入れてしなやかに弾く。第
3楽章もテーマの弾き方をさまざまに変化させ、速いパッセージで
も濃淡をつける。拍の取り方が本当に上手で、個人的にはこの人に
協奏曲賞を贈りたかった,

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10月19日(日)19th October 6 p.m.
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進藤実優 Miyu Shindo
23歳/日本
曲目:《幻想ポロネーズ》変イ長調作品61
   協奏曲第1番ホ短調作品11
使用ピアノ:スタインウェイ

 入魂のファイナル。《幻想ポロネーズ》の静かな出だしには心がこ
もっている。すべてが連動していて、転調までの間に、沈黙の雄弁
も含めてひとつの物語をつむぐ。ポロネーズ部分でも、舞踊のリズ
ムに支えられてメロディが語りかけてくるよう。コラール部分はゆっ
たりしたテンポでしみじみと歌う。ひたひたと階段をのぼり、盛り上
げてラストに入る。やや奏法が特殊で、バスが充分に鳴らないこと
があるのだが、この日は右手の和音、左手のオクターヴの連続とも
に充実した響き。非常に集中力の高い演奏で、晩年の精神性を余
すところなく伝えていた。
 協奏曲第1番のイントロも、堂々たる和音とキラキラ輝くパッセー
ジのコントラストが印象的。第1主題は訴えるような音で、第2主題
もゆったりしたテンポで切々と歌われた。技巧的な場面でもキレの
よいタッチで、音楽が常に流れている。第2楽章もよくのびる音で
内省的に弾かれた。第3楽章は身体全体をバウンドさせて躍動感
に満ちた演奏。この楽章では少しミスが多くなってしまったのが悔
やまれる。

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ワン・ジートン Zitong Wan
26歳/中国
曲目:《幻想ポロネーズ》変イ長調作品61
   協奏曲第1番ホ短調作品11
使用ピアノ:カワイ

 いつも白いジャケット姿で癒しの演奏をきかせてくれるワン・ジー
トン。微笑んでいるような温かい音と親密な表現でファンも多い。
《幻想ポロネーズ》もたっぷりした和音で堂々たる出だしだったが,
ポロネーズ部分で左手にメモリーミスが出た。その後は持ち直して
の長い音楽で弾き進み、変ロ長調のドルチェ部分など、陰影に富ん
だ歌いまわしでうっとりさせる。ピュウ・レントの左手と右手の対話
も美しかった。クライマックス部分も、どんなに音楽が激しても右手
のフレージングをないがしろにせず、バスもきちんと入れるところが
良い。
 協奏曲第1番のイントロも、堂々とした弾きぶり。第1主題はバス
を響かせて悠然と歌いつむぐ。音と音の間が均等ではなく、いつも
わずかずつの緩急があり、それが旋律にふくらみを与える。快速のパッ
セージでも指にまかせて弾かず、必ず主要音をテヌートしてメリハリ
をつけるのが彼女の手法。第2楽章も艶のある音でたっぷり時間を
とり、朗々と歌い上げた。第3楽章はキレのよいタッチと活気溢れる
リズムで楽しげに奏で、第3位とソナタ賞を勝ち取った。

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ウィリアム・ヤン William Yang
24歳/アメリカ
曲目:《幻想ポロネーズ》変イ長調作品61
   協奏曲第2番へ短調作品21
使用ピアノ:スタインウェイ

 設計力の優れたピアニスト。《幻想ポロネーズ》はアプローチによっ
ては冗長になりやすい作品だが、イントロからショパンが大切にし
た骨格をしっかりとらえている。たとえば右手が和音で左手がオクター
ヴの部分も、両方を丁寧にフレージングする。全体を見渡した上で、
卓越したテクニックを駆使してさまざまな要素をくっきりと浮き彫り
にする手腕には舌を巻いた。
 協奏曲第2番も繊細な美しさを前面に押し出した演奏。いくらで
も音量は出るだろうに意図的に抑えた印象もあり、これが順位にど
のように影響したか。第1楽章ではあまりにも軽く弾くのでときどきオー
ケストラに埋もれる部分もあるが、4度の連続などは息をのむほど
鮮やか。第2楽章もナラティヴで澱みない流れが魅力的。オーケス
トラを装飾する部分は美しく繊細な音で弾かれた。第3楽章はひそ
やかで哀しげに開始する。快速部分は、妖精の羽ばたきのような軽
やかさ。舞踊部分は哀しげに、しかしリズムはよく弾む。透明感の
あるタッチは、まるでフォルテピアノを弾いているようだった。

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ピオトル・アレクセヴィチ Piotr Alexewicz
25歳/ポーランド
曲目:《幻想ポロネーズ》変イ長調作品61
   協奏曲第2番へ短調作品21
使用ピアノ:カワイ

 端正で誠実なピアノ。《幻想ポロネーズ》は旋律とリズムをきっち
り弾き分けて立体的なつくり方。すべてにメリハリがきいている。少
しメカニックに弱いところがあり、3度の連続や重音で上昇する場面
でミスが出たり、重さをかけすぎて強音が割れるのも気になった。il
canto sostenutoのしっとりした歌い方は心に沁み入ってきた。ラス
トはメロディをきちんとフレージングしつつ大変な熱演だったが礼押
しつけすぎて和音の連打が濁ってしまった。
 協奏曲第2番の第1楽章はソフトな音で切々と訴えかける。展開
部も繊細なタッチで美しく奏でていた。第2楽章の主題は、指をしな
わせ、なめらかなタッチで表情豊かに歌い上げる。2回目はヴァリア
ントの途中でフェードアウトするのが綺麗だった。カデンツァ部分は
オーケストラをバックに緩急とニュアンスの変化をつける。音のひと
つひとつに説得力があり、秘めた思いを伝えるよう。3楽章の主題は
チャーミングで、間のとり方が素敵だった。ラストは少し危ない場面
もあったが、キラキラ輝く音で弾き切った。

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10月20日(月)20th October 6 p.m.
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ケヴィン・チェン Kevin Chen
20歳/カナダ
曲目:《幻想ポロネーズ》変イ長調作品61
   協奏曲第1番ホ短調作品11
使用ピアノ:スタインウェイ

 第2次審査で練習曲作品10を全曲弾いて話題を呼んだチェン。
技巧派と思われがちだが、第3次予選のソナタ第3番はその技巧
を前面に出すことなく、堅固な構築物をかたちつくっていた。
《幻想ポロネーズ》のアコードはしっかり弾かれ、装飾部分はゆっ
くりと円を描く。中身の詰まった音で左手がよく歌う。ポロネーズでは、
旋律部分がやや無愛想な印象を受けた。左のスケールや内声、バ
スをくっきり出すなど立体的な作り方。コラールはたっぷり時間をとっ
て左手と右手の呼び合いがきれいだった。ゼクエンツで盛り上げ、
クライマックスはオクターヴと和音を楽々と響かせるが、もう少しラ
インが歌ってもよいと思った。
 協奏曲第1番も芯のあるタッチであまりテンポを上げず、やや四
角い印象があった。たとえば第1楽章の第1主題も、切ない思いが
伝わってこない。第2主題もひとつひとつの音はよく歌うが\言外の
思いが伝わってこないうらみがある。第3楽章は明るい音、クリアな
タッチで難所も軽々とクリア。圧倒的な推進力で弾き切り、第2位
に輝いた。

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ダヴィド・フリクリ David Khrikuli
24歳/ジョージア
曲目:《幻想ポロネーズ》変イ長調作品61
   協奏曲第2番へ短調作品21
使用ピアノ:スタインウェイ

 着席して椅子の高さを直してすぐに弾きはじめたので驚いた。第
2次審査では『24の前奏曲』をルバートたっぷりに弾いていたが、こ
の日は端正なスタイル。
 《幻想ポロネーズ》の序奏も意外なほどあっさり弾かれた。転調に
応じて色彩を変えるあたりはさすが。ポロネーズ部分のメロディも
揺らすことなく構成重視。多くの弾き手がテンポをゆるめる変ロ長
調の部分も淡々と、一番歌い込む装飾部分もさっと弾く。ピュウ・
レントへのフェードアウトは非常に美しく、il canto sostenutoの左
右の歌い合いをしみじみと聴かせる、レントへのフェルマータが雄
弁で、続くメロディは愛撫するように歌い上げる。ここに取っておき
たかったのだと思った。
 協奏曲第2番の第1楽章はやや固かったが展開部あたりから音
が訴える力を持ち始めたように感じた。再現部は切々と歌い、音の
陰りも美しかった。第2楽章は息の長い音楽でセンチメンタリズム
のかけらもないのが良い。第3楽三章は表情豊かで左手の刻むリズ
ムが心地良い。快速パッセージで少し混乱する場面もあった。

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桑原志織 Shiori Kuwahara
29歳/日本
曲目:《幻想ポロネーズ》変イ長調作品61
   協奏曲第1番ホ短調作品11
使用ピア:スタインウェイ

 素晴らしいステージだった。《幻想ポロネーズ》は各パートを適切
に配置し、響きの中でアルペッジョを入れる。ポロネーズ部分、リズ
ムはよく弾み、フレーズの間の取り方も適切。ポコ・ピウ・レントは、
左右のやりとりで息の長い旋律を奏でていく。ラストは和音がよく
鳴り、バスをたっぷり入れて豊かな響きをっくる。
 協奏曲第1番第1楽章、第1主題の歌い方は包容力があり、ナラティ
ヴで耳が惹きつけられる。第2主題がまたリリカルで、オクターヴも
優しく響く。技巧的な場面では軽やかで細やかなフレージング。再
現部のテーマはさらに哀愁を増し、コーダはリズミックでブリランテ
だった。第2楽章もかすかに煌めく音で、オペラ歌手のように自在
に歌う。オーケストラを装飾する場面もしなやかに、夢のようなラスト。
第3楽章もエレガントで軽やかに弾かれたが、やや疲れが見えたか
もしれない。ユニゾン主題には煌きと艶があったが、単音の粒だち
がもう少し欲しかった。最後はアルペッジョとスケールにマークを付
け、輝かしく締めくくった。

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ファイナル 総評/青柳いづみこ
協奏曲に《幻想ポロネーズ》が加わり演奏に多様性が求められたことで評価に変化

 ファイナルは2曲の協奏曲に加えて晩年の傑作《幻想ポロネーズ》が加わり、出場者にも多様な資質が求められた。協奏曲のキレは良くても《幻想ポロネーズ》の内面性は今ひとつ、またはその逆のケースもあったが、評価の配分は審査員の裁量に任されたという。《幻想》は素晴らしかったが協奏曲でやや粗くなった進藤実優は順位無しに終わった。
 今回は細かい配点比率が定められ、順位には第1次予選10%、第2次が20%、第3次とファイナルが35%反映されるとのことで、《幻想》でメモリーミスがあったにもかかわらず第3位とソナタ賞を獲得したワン・ジートンについては、このシステムが功を奏したと思われる。第1位のエリック・ルーと第2位のケヴィン・チェンは順当な結果。客席で聴いたかぎり桑原志織が第3位以内に入るかと思ったが、中国の16歳リュー・ティエンヤオと同率4位に留められた。リューは協奏曲賞も獲得。個人的には《幻想》と協奏曲が揃っていたマレーシアのヴィンセント・オンがもう少し上の順位でも良かった。

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ファイナル 総評/岡田敦子
それぞれの奏者の特徴が評価され納得の行く結果の出たファイナル

 筆者は第1次、第2次審査を聴いておらず第3次審査の結果には違和感もあったのだがファイナルの結果はそれなりに筋の読めるものだった。第1位のエリック・ルーの解釈の深さと多彩な音色、第2位のケヴィン・チェンのバランスの取れた見事な演奏力。この2人は、何ものにも代えがたいと感じさせる独自の世界を成していた。ルーは圧倒的な技術の持ち主ではないかもしれないが、苦悩、悲哀、憧憬といったさまざまな感情を絶え間なく呼び起こす点において群を抜いていた。
 第3位ワン・ジートン、第4位桑原志織とリュー・ティエンヤオは、それぞれ明確な個性を示しながら、正統的で文句の付けがたい演奏を繰り広げた。第5位ヴィンセント・オンとピオトル・アレクセヴィチ、第6位ウィリアム・ヤンにはそれぞれに他の人にはない、特筆すべきものがあった。
 ファイナルではコンチェルトにソロ曲が加わったことで、むしろ出場者の特質が明確に現われるステージとなっていた。

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より

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