ディアナ・ダウラウ(ソプラノ)、ケント・ナガノ(指揮)
『唱歌〜日本の子供の歌』
東京エムプラス2800円(税別)
青い目の人形
青柳いづみこ 選+文
ケント・ナガノは日系アメリカ人3世。妻はピアニストの児玉麻里。第2の故郷と慕う日本の唱歌め、自ら指揮したアルバムはなつかしさに満ちている。
ソロつきの合唱曲にアレンジしたのは、フランスのグラミー賞受賞作曲家バンテユス。歌うのはドイツのソプラノ歌手ディアナ・ダムラウ。澄みきった、しかし温かみのある声で『七つの子』『赤い靴』などよく知られた童謡を歌いあげる。
母音の多い日本語はクラシックの発声に合わないため、しばしば発音を変えて歌われるこのアルバムでは歌っているのが「ガイジン」のため、「きゃわいい、きゃわいい、ななつぅのこ…」「いーじんぬさん」などほほえましい発音もあるが、少しも違和感はなくかえって我々が忘れてしまった日本文化を大切にする心のようなものが伝わってくる。
ちょうど、NHKの朝ドラ『マッサン』で熱演するシャーロットさんのように。