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【連載】「本をめぐる随想 高樹のぶ子『満水子』」(月刊和楽 7月号)

女性の“神秘性”に説明をつけようとして 男は女に振りまわされ、やがては見失う。 “水”の絵を描く、満水子 『満水子』 が出版されたころ、 ある週刊誌に掲載された高樹のぶ子さんのインタビューがおもしろかった。 「私は、器に…

【連載】「本をめぐる随想 石川康子『原智恵子』優雅で感傷的な最終楽章」(月刊和楽 5月号)

華麗にして波瀾万丈な生涯を追うとともに、日本のクラシック界の態度を批判する書。 成熟した大人の魅力をふりまいた名ピアニスト 石川康子「『原智恵子』優雅で感傷的な最終楽章」は、何年か前の「新潮45」で興味深く読んだが、昨年…

「ヴぃた・読書ありす」(新潮 2002年4月号)

本は、気がついたらそこにあった、としかいいようがない。私のこれまでの人生のどの局面についてもいえることだが、読書に関しても、全くの受け身である。 数年前、ある友人に神田神保町の出版社を紹介してもらった。待ち合わせ場所とし…

【連載】「本をめぐる随想 青柳いづみこ『水の音楽 オンディーヌとメリザンド』」(月刊和楽 5月号)

水の精と〈宿命の女〉をモチーフに  絵画・文学・音楽を往還した近著を紹介する 出かけていく誘惑、何もしない誘惑・・・ 昨年秋に上梓した『水の音楽 オンディーヌとメリザンド』を書くきっかけとなったのは、ある人物に言われた、…

【連載】「本をめぐる随想 無邪気と悪魔は紙一重」(月刊和楽 10月号)

25人のファム・ファタルをとりあげた『無邪気と悪魔は紙一重』。 ムージルの短編「トンカ」のヒロインの語り難。 「無意識」の悪をめぐるエッセイ集 連載開始から半年を経て、再び拙著について語る機会が与えられた。春に出版した『…

【連載】「よむサラダ 打ち上げの一杯(終)」(読売新聞 2001年7月29日)

コンサート後のお楽しみ    新潟で地酒、南仏でワイン 秋のコンサートの打ち合わせをする。今年の私のテーマは「水の音楽」だ。水にちなんだプログラム、チラシのデザインと写真の選定、プロモーションのアイディア。 だいたいのこ…

【連載】「よむサラダ ピアニストのお昼ごはん」(読売新聞 2001年7月)

庶民的食堂で500円の満足    午後の仕事はすべりよく クラシックのピアノ弾きなどという種族は、世間ではどのように受けとられているのだろう、と考えることがある。まさか、毎日フランス料理を食べているとも、家にいるときもス…

【連載】「よむサラダ 肩こり」(読売新聞 2001年7月22日)

ピアノと文筆で二重の職業病     鍼灸院で「週一」リフレッシュ リサイタルやレコーディングの前には1日8時間ほど、普通の日でも3~4時間はピアノを弾いているのだから、肩こりは職業病である。そのうえ文筆業まで加わるから、…

【連載】「よむサラダ 走る!」(読売新聞 2001年7月15日)

家の廊下をドシャドシャ……    「弾く」と「書く」何回も往復 ドシャドシャドシャ、ドシャドシャドシャ。私が廊下を走る音である。 大正時代から建っている家は、やけに奥行きが深い。ピアノの部屋と書斎を結ぶ廊下は、普通に歩い…

【連載】「よむサラダ ピアニストと娘」(読売新聞 2001年7月8日)

教育ママの けいこ事に嫌気   試行錯誤しつつ「自分探し」  高校生の娘は、私のことを「おたら」と呼ぶ。母の枕詞「たらちね」の前半に「お」をつけたものだ。私がトラ年生まれのこともあって、これがときどき「おとら」になる。 …

新メルド日記
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