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【連載】「青柳いづみこのひとりごと2」(読売新聞 Monday WOMAN 2002年10月21日夕刊)

いとおしい 施設に入った母 疲れると、夢を見る。 施設に入所している母が、タクシーで帰ってきてしまう夢だ。しかも、何も洋服を着ていない。身長153センチの私と違い、母は背が高く、がっしりしている。その母をかかえて、叱りつ…

【連載】「青柳いづみこのひとりごと1」(読売新聞 Monday WOMAN 2002年10月7日夕刊)

椅子にきちんと坐るのは難しい ある会社の社長サンから、面白い品が送られてきた。べっこう飴に似た色のシート。 一センチ角のサイコロ状の突起が並んでいて、指で押すと、ぷにゅ、ぷにゅ感が何ともいえない。 娘も、「キモーイ」かな…

【連載】「本をめぐる随想 ジェルメーヌ・タイユフェールの『ちょっと辛口』」(月刊和楽 9月号)

次から次に著名な芸術家たちが登場する楽しい本。 音楽好きにはこたえられない女性作曲家の回想録 なぜか、女性には作曲ができない、ということになっている。構築性や客観性に欠けるからだそうな。文学や美術だって同じだと思うが、女…

【連載】「本をめぐる随想 有島武郎『一房の葡萄』」(月刊和楽 8月号)

波と戯れ、翻弄される兄と妹。 名作童話が抽出した人間の果てしないエゴイズム。 有島武郎が描いた、恐ろしい“水” 有島武郎の童話集「一房の葡萄」が、好きだ。タイトルにもなった「一房の葡萄」はあまりにも有名だが、たとえば、「…

【連載】「本をめぐる随想 高樹のぶ子『満水子』」(月刊和楽 7月号)

女性の“神秘性”に説明をつけようとして 男は女に振りまわされ、やがては見失う。 “水”の絵を描く、満水子 『満水子』 が出版されたころ、 ある週刊誌に掲載された高樹のぶ子さんのインタビューがおもしろかった。 「私は、器に…

【連載】「本をめぐる随想 石川康子『原智恵子』優雅で感傷的な最終楽章」(月刊和楽 5月号)

華麗にして波瀾万丈な生涯を追うとともに、日本のクラシック界の態度を批判する書。 成熟した大人の魅力をふりまいた名ピアニスト 石川康子「『原智恵子』優雅で感傷的な最終楽章」は、何年か前の「新潮45」で興味深く読んだが、昨年…

【連載】「本をめぐる随想 青柳いづみこ『水の音楽 オンディーヌとメリザンド』」(月刊和楽 5月号)

水の精と〈宿命の女〉をモチーフに  絵画・文学・音楽を往還した近著を紹介する 出かけていく誘惑、何もしない誘惑・・・ 昨年秋に上梓した『水の音楽 オンディーヌとメリザンド』を書くきっかけとなったのは、ある人物に言われた、…

【連載】「本をめぐる随想 無邪気と悪魔は紙一重」(月刊和楽 10月号)

25人のファム・ファタルをとりあげた『無邪気と悪魔は紙一重』。 ムージルの短編「トンカ」のヒロインの語り難。 「無意識」の悪をめぐるエッセイ集 連載開始から半年を経て、再び拙著について語る機会が与えられた。春に出版した『…

【連載】「よむサラダ 打ち上げの一杯(終)」(読売新聞 2001年7月29日)

コンサート後のお楽しみ    新潟で地酒、南仏でワイン 秋のコンサートの打ち合わせをする。今年の私のテーマは「水の音楽」だ。水にちなんだプログラム、チラシのデザインと写真の選定、プロモーションのアイディア。 だいたいのこ…

【連載】「よむサラダ ピアニストのお昼ごはん」(読売新聞 2001年7月)

庶民的食堂で500円の満足    午後の仕事はすべりよく クラシックのピアノ弾きなどという種族は、世間ではどのように受けとられているのだろう、と考えることがある。まさか、毎日フランス料理を食べているとも、家にいるときもス…

新メルド日記
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