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【書評】カズオ・イシグロ著「夜想曲集」 越谷政義監修「ジャパニーズ・ロック・インタ ビュー集」

とにかく面白かったこの一冊 (特)カズオ・イシグロ著 土屋政雄訳『夜想曲集』  お薦めの一冊目は、若い頃はミュージシャン志望だったというカズオ・イシグロの、初の短編集『夜想曲集』です。往年の大物歌手、無名のバックプレイヤ…

【書評】奥泉光 著「シューマンの指」(日本経済新聞 2010年8月15日付朝刊)

ピアニストは指がすべて。優れた音楽性があっても優れた指がなければ演奏できない。そんなことを言われる。私も、自著に「指」を盛り込んだタイトルをつけることが多い。でも、本書のタイトルは「指がすべてではない」という意味に使われ…

【書評】角田光代著「ひそやかな花園」(サンデー毎日 2010年8月15日付朝刊)

生まれてきてよかったと思うために あるピアノの生徒が不妊症に悩み、人工受精で子供を授かった。快哉を叫んだが、同時に、そうして生まれてきた子供が背負わされるものにも思いをはせた。 本書のテーマはさらに複雑だ。登場人物の七人…

【書評】ジェレミー・マーサー著「シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々」(北海道新聞 2010年6月27日朝刊)

ヘミングウェイ『移動祝祭日』には、シルビア・ビーチの「シェイクスピア書店」のことが出てくる。失われた世代が集った伝説の書店だ。一九四一年に閉店したが、十年後に新しい書店が開店し、ヘンリー・ミラーやアナイス・ニンが頻繁に出…

【書評】末延芳晴 著「寺田寅彦 バイオリンを弾く物理学者」平凡社(北海道新聞 2010年1月31日朝刊)

音楽感じる希有の才能 仕事がら、音楽や音楽家が登場する作品の解説を依頼されることが多い。もちろん喜んで書かせていただくが、音楽とは気持ちの流れや自然の律動、光の振動に音高や響きを与えたものだから、モティーフとして扱うだけ…

新メルド日記
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