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音楽深遠「ドビュッシーと日本的感性」(丹波古陶館『紫明』第32号)

フランス近代の大作曲家クロード・ドビュッシー(1862~1918)は、ジャポニズムを採り入れた最初の西洋音楽家ということができる。 絵画の世界では、ゴッホやゴーギャンが浮世絵をモティーフに描き、印象派の画家たちは遠近法を…

「ドビュッシーの時代 」(文藝春秋 2012年12月号)

一八六二年に生まれ、一九一八年にこの世を去ったフランス近代の作曲家クロード・ドビュッシーは、今年が生誕百五十年に当たる。ブリヂストン美術館で大規模な展覧会が開かれたから、ドビュッシーの名も少しは広まったかもしれない。 し…

「生誕150年ドビュシーの多面性 」(読売新聞 2012年12月21日)

「黒猫」の頽廃的輝き 2012年は、フランス近代の大作曲家クロード・ドビュッシーの生誕150年だった。 ドビュッシーは、『亜麻色の髪の乙女』『月の光』など優美な作品で知られる。もっぱらモネやルノワールなど、印象派の絵画と…

「ショパンの革命に続け! ドビュッシー12の練習曲 」(ショパン 2012年11月号)

12曲からなる練習曲は、ドビュッシー(1862~1918)の最晩年の傑作だ。そこには、ショパンの目指したピアノ技法を継承し、さらにそれを作曲技法にまで転換したドビュッシーの芸術の到達点が刻印されている。 ドビュッシーの《…

「ドビュッシー生誕150年 印象派か象徴派か 」(朝日新聞 2012年11月4日)

東京のブリヂストン美術館で「ドビュッシー、音楽と美術印象派と象徴派のあいだで」が7月から3カ月間開催された。 パリの美術館との共同企画だが、ブリヂストンの所蔵品も展示されているため、より印象派寄りの「印象」がある。 ドビ…

【ドビュッシー特集】「ドビュッシー ピアノ作品 」(ショパン 2012年9月)

ドビュッシーは、ショパンとリストの遺産をひきつぎ、ピアノの世界に新たな地平を開いた。バッハと18世紀ロココの作曲家を愛し、チェンバロの技法を採り入れつつ、革新的な和声法と旋法性でまったく新しいピアノ技法を編み出した。ペダ…

この一点「ドビュッシー 音楽と美術展」(日本経済新聞 2012年8月25日)

羽衣の令嬢に捧ぐ思い モーリス・ドニ「イヴォンヌ・ルロールの3つの肖像」 モーリス・ドニ「イヴォンヌ・ルロールの3つの肖像」は、忘れがたい印象を残す作品である。画面の中央には、白い衣装をまとった高貴な令嬢。まあ、なんとス…

【特集】「ドビュッシーを愉しむ」(音楽の友 2012年2月号)

ドビュッシーを想う―色彩と律動する時間の音楽 クロード・ドビュッシーを語る人が必ず口にすることに、彼の異様に突き出た額がある。 レオン・ドーデに「インドシナの犬」のようだと言われたおでこ。 そこには、ワーグナー《トリスタ…

「ピアニストの読書術~クセジュで読み解くドビュッシー」(白水社新書カタログ2010巻頭エッセイ)

白水社の書籍の読者も、そして書き手も、きっと教養溢れる方々だろう。知識も話題も豊富、学問の体系もきっちりおさえた上で縦横無尽な議論を展開させる。その点で、私たち音楽家はとても弱いのだ。 とくに日本の演奏家は。ヨーロッパで…

「グロテスクの美とドビュッシー」(岩波「図書」2010年3月号)

フランス近代の大作曲家クロード・ドビュッシーときいて、人は何を思い浮かべるだろう? コマーシャルにもよく使われる『月の光』、マラルメの長詩に想を得た『牧神の午後への前奏曲』、はたまたCDのジャケットを飾るクロード・モネの…

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