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「吉田秀和さんを悼む」(東京新聞 2012年5月29日)

対象とらえる鋭い視点 「ボクはね、死なないんだよ」が口癖だった。その言葉どおり、永遠に私たちを導いてくださるものと思っていたが、音楽評論の新しい試みであり、自伝でもあった四部作「永遠の故郷」(集英社)を完結させて、さすが…

「丈夫な歯が一番!」(Dental Diamond 2012年5月号 ESSAY)

「むし歯予防デー」に生まれたので、むし歯がないのが自慢だ。友人の歯科医に診てもらったときも、珍しく「カリエスがない」とお褒めの言葉をいただいた。でも、油断はならぬ。これからは歯槽膿漏との戦いだ。 歯磨きは趣味のようなもの…

【書評】古屋晋一「ピアニストの脳を科学する」

中央公論2012年5月号 書苑周遊 新刊この一冊 目にもとまらぬ速さで鍵盤をかけめぐるピアニストの指先。どうしてあんなふうに弾けるんですか? ときかれる。いや、かけめぐり方にもいろいろあって、私とアルゲリッチではオリンピ…

【連載】「音楽という言葉—やさしい、やさしい『月の光』」(神戸新聞 2012年3月31日)

月に一回、都内某所でフランス音楽のセミナーを開いている。受講生の顔ぶれはさまざまだ。若手からベテランのピアニストまで。ピアノの先生、作曲家、企業に勤めながら趣味でピアノをつづけている人。 最近の新入生Nさんは元ピアニスト…

【特集】「ドビュッシーを愉しむ」(音楽の友 2012年2月号)

ドビュッシーを想う―色彩と律動する時間の音楽 クロード・ドビュッシーを語る人が必ず口にすることに、彼の異様に突き出た額がある。 レオン・ドーデに「インドシナの犬」のようだと言われたおでこ。 そこには、ワーグナー《トリスタ…

【書評】村上春樹「小澤征爾さんと、音楽について話をする」(週刊現代 2012年1月7日号)

最高の”解釈家”が稀代の指揮者から聴き尽くした究極のインタビュー 私はピアノ弾きの端くれだが、指揮というジャンルは常に謎だった。当事者は何ひとつ音を発しないのにどうしてあれだけの人数のプレイヤーを…

【書評】アドリエンヌ・モニエ著 岩崎力 訳 『オデオン通り アドリエンヌ・モニエの書店』(河出書房新社)

本を愛する心意気熱く パリの書店で感激するのは、店員がじつに本についてよく知っていることだ。タイトルと著者名を言うと、たちどころに棚まで案内してくれる。日本ではこうは行かない。画面で検索しろとつっぱねられるのがおちだ。 …

【コンサート評】「安川加壽子記念会」(産経新聞 2011年7月22日朝刊)

「集う」 「安川加壽子記念会」(2011年6月24日、東京都中央区の浜離宮朝日ホール) 在りし日の姿に思いをはせる 平成8年7月に74歳で亡くなったピアニスト、安川加寿子(かずこ)さんの功績を振り返る「安川加壽子記念会」…

「いやはや語辞典 マルチ」(読売新聞 2011年7月8日夕刊)

ピアノを弾きながら本を書いているというので、ときどき「マルチ・ピアニスト」と呼ばれる。いやですね、この言葉。「マルチ・タレント」「マルチ商法」・・・。ひとつでは立てないから仕方なくいろいろ手を出しているといった安ーい雰囲…

「交遊録 気さくなプリマ」(日本経済新聞 2011年5月28日 朝刊)

テレビ神奈川『佐藤しのぶ 出逢いのハーモニー』に出演することになった。ソプラノ歌手の佐藤しのぶさんが各界からゲストを招き、音楽を交えて綴るトーク番組である。  しのぶさんとのご縁は一九八八年に遡る。といっても一方的なのだ…

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