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安川加寿子記念会第6回演奏会レポート(ショパン 2004年9月号)

さまざまな年代のピアニストが集って 二十歳の前田拓郎から、芸大名誉教授として幾多の俊英を育てた高良芳枝まで、半世紀以上の隔たりがあるさまざまな年代のピアニストが安川記念会第六回演奏会に集い、心踊る演奏をくりひろげた。 ソ…

【連載】「花々の想い…メルヘンと花 8」(華道 2004年8月号)

中島敦「夾竹桃の家の女」 中島敦『夾竹桃の家の女』は、東南アジアのパラオを舞台にした官能的な掌編である。 風がすっかり呼吸を停めた午後、主人公はパラオ特有の滑らかな敷石路を歩いていく。一週間前に患った熱病が治りきらず、息…

【特集】「大学院ってどんなところ?」(ショパン 2004年7月号)

博士課程を修了してみてわかったこと 自分の直感を証明するために 大学院といっても私のケースはとても特殊なので、あまり参考にはならないと思うが、とにかくお話してみよう。 私が東京芸大の大学院修士課程に進んだとき、まだ博士課…

【特別企画】「この音楽書が面白い!」(レコード芸術 2004年7月号)

最高に面白いオススメの一冊 『グルダの真実』クルト・ホーフマンとの対話 田辺秀樹訳 グルダの弾くベートーヴェン『ワルトシュタイン』の爽快な演奏を聴きながらこの原稿を書いている。 本書は、オーストリア放送協会のディレクター…

【巻末エッセイ】レーモン・ルーセル「ロクス・ソルス」岡谷公二訳(平凡社ライブラリー)

「ルーセルと音楽」 「レーモン・ルーセルは音楽をやっていて、ピアノを弾き、歌も歌いました」と、ミシェル・レリスは語っている。「父も歌が大好きで、ルーセルが伴奏することもありました。二人は順番に歌っていました」(『レーモン…

【連載】「花々の想い…メルヘンと花 7」(華道 2004年7月号)

アンデルセン「即興詩人」 ミルテは、和名を銀梅花といい、常緑の低木で匂いやかな白い花が咲く。西洋では、花嫁さんのブーケによくミルテが使われる。 すぐ思い浮かぶのはシューマンの歌曲集だが、実際にはミルテを歌った曲はなく、ハ…

【連載】「作曲家をめぐる〈愛のかたち〉最終回」(新日本フィルハーモニー交響楽団 2004年7月号)

新日フィル定期プログラム 2004年7月号 プログラムエッセイ   引き裂かれた愛 オペラの、それも悲劇にみられる〈愛のかたち〉は、ほとんど「引き裂かれた愛」ではないかと思うことがある。 ヴェルディ『椿姫』やプッチーニ『…

【連載】「花々の想い…メルヘンと花 6」(華道 2004年6月号)

「オズの魔法使い」 フランク・ボームの『オズの魔法使い』には、印象的なケシ畑のシーンがある。 カンサスの大草原で育ったドロシーちゃんは、愛犬のトトとともに竜巻で家ごと吹き飛ばされてしまう。降り立ったのはマンチキンの国。頭…

新国立劇場 ヴェルディ「マクベス」公演プログラム(2004年5月)

男の野望、女の野望 元ユーゴスラヴィア(現セルビア=モンテネグロ)共和国大統領ミロシェヴィッチの夫人ミリャナ・マルコヴィッチは、「ベオグラードのマクベス夫人」と呼ばれた。『独裁者の妻たち』の著者ヴィントガッセンは、「彼女…

【連載】「花々の想い…メルヘンと花 5」(華道 2004年5月号)

宮澤賢治「貝の火」 宮沢賢治の童話では、「貝の火」が一番好きだった。 鈴蘭の葉や花がしゃりんしゃりん音を立てる野原。子ウサギのホモイは、川で溺れかけたヒバリの子を助けてやったお礼に、不思議な玉をもらう。それはとちの実ほど…

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