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【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語3「ニコレ街一四番地」(岩波図書 2021年4月号)
パリの地下鉄四号線をシャトー・ルージュ駅で降り、キュステユーヌ通りをのぼり、交差するラメ通りを少し戻って右折したあたりに、ニコレ街という小さな通りがある。治安の悪い一八区にしては瀟洒な町並みだ。 アパルトマンの壁には…
【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語2「団扇と夫人」(岩波図書 2021年3月号)
オルセー美術館に所蔵されているマネの『団扇と夫人』は印象的な絵だ。黒髪の女性がひじをつき、長椅子の上でトルコのサルタンのようなポーズで寝そべっている。 決して美人ではないが、印象に残る風貌だ。二重の目は大きく、目尻が…
【連載】響きあう芸術パリのサロンの物語1「サロンという登竜門」(岩波図書 2021年2月号)
若く、無名でお金のない芸術家が世に出る手段は、そうは多くない。二一世紀のこんにちでは、それがショパン・コンクールだったりチャイコフスキー・コンクールだったりするわけだが、一九世紀は貴族やブルジョワのサロンがその役割を果た…
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