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【連載】 随想 「心に届く音(終)」(神戸新聞 2011年4月19日夕刊)

関西で開かれる新人オーディションの審査をつとめている。ピアノと声楽部門に分かれ,東京と大阪で予選を行う。 しかし,今年は東日本大震災の影響で東京が中止になってしまった。 多くの受験生が大阪での参加を希望したため,急遽大阪…

【ライナーノーツ】横山幸雄「プレイエルによるショパン・ピアノ独奏曲全曲集11」

机の上で多くを書いたシューマンに対して、即興演奏を基盤とするショパンの語法には、彼自身のピアノ奏法が深くかかわっている。読み解くヒントとなるのは、ジャンニジャック・エーゲルディンゲルが編纂した「弟子たちから見たショパン』…

「”おかね”を語る 書くことと弾くことの内訳」(にちぎん 2011年 No.27 エッセイ)

ふしぎに、お金には不自由しないようなふうに人生が運ばれてきた。音楽の勉強にはお金がかかる。楽器を買う費用、毎週のレッスン代、音楽教室の学費、コンクールや入試などの受験料。公務員の父の給料では大変だったことだろうと思う。小…

【連載】 随想「スーパーの棚」(神戸新聞 2011年3月29日夕刊)

東北・関東大震災の発生した日にパリからの飛行機に乗っていた私は、成田が閉鎖していたため中部空港に降り、関西方面の仕事をすませて帰京した。 家族の誕生日だったので、パリみやげのチーズやワインをもとにささやかな晩餐を準備した…

【連載】 随想「雲の上で知った地震」(神戸新聞 2011年3月15日夕刊)

東日本大地震が起きたとき、私は成田空港上空にいた。  パリからの飛行機が着陸態勢にはいると知らされたまま、いっこうに到着する気配がない。関東地方で地震が発生したため、このまま中部空港に向かうとのアナウンスがあった。家族は…

【連載】 随想 「鳩さん、かわいそう」(神戸新聞 2011年2月25日夕刊)

ハト屋大丈夫かなぁ。 伊豆の観光旅館のことではない。エジプト情勢を見聞きするにつけ、カイロの葉と料理専門店のことが心配でならないのだ。 カイロを訪れたのは3年ほど前、大学院生の娘と一緒だった。娘のほうは観光目的だったが、…

「リヒテル ピアノを超越した唯一無二のピアニスト」(The CD Club 2011年2月号)

天才の保有する表現能力 2010年秋、ワルシャワでおこなわれた第16回ショパン・コンクールは、稀にみる激戦となった。優勝したロシアのアヴデーヴァさんはじめ、6名の入賞者は誰が勝ってもおかしくなかったという。逆を返すと、そ…

【対談】「日本人がショパン・コンクールで優勝できない理由」(中央公論 2011年2月号)

小山実稚恵(ピアニスト)×青柳いづみこ(ピアニスト・文筆家) 2010年10月、ポーランド・ワルシャワで第16回ショパン国際ピアノコンクールが開かれた。 ショパン生誕200年という節目のコンクールで優勝したのはロシアのユ…

【連載】 随想「頭のいい羊」(神戸新聞 2011年2月8日夕刊)

チュニジアが政情不安だときいて心配している。というのは、パリの友人がチュニジア音楽院でピアノの先生をしているからだ。 その友人にきいた労働事情はなかなか大変そうだった。まず、チュニジア全土にピアノの調律師が2人しかいない…

【連載】 随想「松葉カニ」(神戸新聞 2011年1月25日夕刊)

冬になるとカニが食べたくなる。たらばガニ、毛ガニ、上海ガニといろいろなカニを食べてきたが、やはり山陰の松葉ガニが一番繊細で香り高い。 山陰には母の実家があるから、私が子供のころは、祖母からときどき津居山のゆでガニが届けら…

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