執筆・記事 アーカイブ: 2011年

【書評】アドリエンヌ・モニエ著 岩崎力 訳 『オデオン通り アドリエンヌ・モニエの書店』(河出書房新社)

本を愛する心意気熱く パリの書店で感激するのは、店員がじつに本についてよく知っていることだ。タイトルと著者名を言うと、たちどころに棚まで案内してくれる。日本ではこうは行かない。画面で検索しろとつっぱねられるのがおちだ。 …

【コンサート評】「安川加壽子記念会」(産経新聞 2011年7月22日朝刊)

「集う」 「安川加壽子記念会」(2011年6月24日、東京都中央区の浜離宮朝日ホール) 在りし日の姿に思いをはせる 平成8年7月に74歳で亡くなったピアニスト、安川加寿子(かずこ)さんの功績を振り返る「安川加壽子記念会」…

「いやはや語辞典 マルチ」(読売新聞 2011年7月8日夕刊)

ピアノを弾きながら本を書いているというので、ときどき「マルチ・ピアニスト」と呼ばれる。いやですね、この言葉。「マルチ・タレント」「マルチ商法」・・・。ひとつでは立てないから仕方なくいろいろ手を出しているといった安ーい雰囲…

「交遊録 気さくなプリマ」(日本経済新聞 2011年5月28日 朝刊)

テレビ神奈川『佐藤しのぶ 出逢いのハーモニー』に出演することになった。ソプラノ歌手の佐藤しのぶさんが各界からゲストを招き、音楽を交えて綴るトーク番組である。  しのぶさんとのご縁は一九八八年に遡る。といっても一方的なのだ…

【書評】小野光子 著「回想 音楽の街 私のモスクワ」(東京新聞 2011年5月15日)

私は、芸大大学院修了後、オペラの稽古ピアノのアルバイトをしていたことがある。演目はチャイコフスキー『エウゲニー・オネーギン』で、 主役は本書の著者小野光子氏。年譜を見ると、 戦後初の上演だったらしい。 小野氏が日本のうた…

【書評】池部良 著「江戸っ子の伜」(北海道新聞 2011年5月11日朝刊)

二枚目俳優 素の語り口 東日本大震災が勃発したとき、私は成田上空にいた。機内で「関東地方に震度7の地震」という誤報が流れ、すわ、関東大震災の再現かと客席はパニックになった。 昨年十月に亡くなった池辺良さんは、五歳と七ヶ月…

【連載】 随想 「心に届く音(終)」(神戸新聞 2011年4月19日夕刊)

関西で開かれる新人オーディションの審査をつとめている。ピアノと声楽部門に分かれ,東京と大阪で予選を行う。 しかし,今年は東日本大震災の影響で東京が中止になってしまった。 多くの受験生が大阪での参加を希望したため,急遽大阪…

【ライナーノーツ】横山幸雄「プレイエルによるショパン・ピアノ独奏曲全曲集11」

机の上で多くを書いたシューマンに対して、即興演奏を基盤とするショパンの語法には、彼自身のピアノ奏法が深くかかわっている。読み解くヒントとなるのは、ジャンニジャック・エーゲルディンゲルが編纂した「弟子たちから見たショパン』…

「”おかね”を語る 書くことと弾くことの内訳」(にちぎん 2011年 No.27 エッセイ)

ふしぎに、お金には不自由しないようなふうに人生が運ばれてきた。音楽の勉強にはお金がかかる。楽器を買う費用、毎週のレッスン代、音楽教室の学費、コンクールや入試などの受験料。公務員の父の給料では大変だったことだろうと思う。小…

【連載】 随想「スーパーの棚」(神戸新聞 2011年3月29日夕刊)

東北・関東大震災の発生した日にパリからの飛行機に乗っていた私は、成田が閉鎖していたため中部空港に降り、関西方面の仕事をすませて帰京した。 家族の誕生日だったので、パリみやげのチーズやワインをもとにささやかな晩餐を準備した…

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