「香淳皇后ゆかりのピアノ 100年の歴史を積み重ね、音色よみがえる」(産経新聞 2020年9月4日付)

エラール

迎賓館赤坂離宮(東京都港区)で3日、昭和天皇の后、香淳皇后ゆかりの貴重なエラールピアノの演奏会が開かれた。

エラールは、ショパンも愛用したフランスの名器で、赤坂離宮所蔵品は白地に菊花紋章の装飾が描かれた特注品(1906年製)。香淳皇后が新婚時代から東宮御所(現赤坂離宮)で愛用し、戦後は皇居に移され、皇族方にも親しまれたという。昨年の修復作業を経て、1世紀の歴史を積み重ねたピアノの音色がよみがえった。

この日、羽衣の間で行われた演奏会では、ピアニストで文筆家の青柳いづみこさんがシューマンの「ミルテの花」などを披露。豪華なシャンデリアの下、約40人が軽やかな音色に耳を傾けた。青柳さんは演奏後、「人の声のようにさえずるピアノで、多彩な表現ができる」と感触を話した。

聴衆の一人、水戸市の谷津香織さん(45)は感激の面持ちで「豪華な空間で100年前の音を楽しめ、ぜいたくな時間だった」と語った。

迎賓館のエラールピアノの演奏会は今月、全4回催されるが、すでにチケットは全席完売という。迎賓館の日下正周館長は「抽選になったほどの人気で、今後も多くの人に貴重な音色を楽しんでいただきたい」と話していた。

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