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【書評】池部良 著「江戸っ子の伜」(北海道新聞 2011年5月11日朝刊)

二枚目俳優 素の語り口 東日本大震災が勃発したとき、私は成田上空にいた。機内で「関東地方に震度7の地震」という誤報が流れ、すわ、関東大震災の再現かと客席はパニックになった。 昨年十月に亡くなった池辺良さんは、五歳と七ヶ月…

【書評】ロベルト・コトロネーオ著 河島英昭訳「ショパン 炎のバラード」(青春と読書 2010年11月号)

音楽とは、情念そのもの 今年生誕二百年を迎えたショパン。よく知られているのは『小犬のワルツ』か『雨だれの前奏曲』か。名前がすぐ浮かぶショパン弾きはブーニンだろうか、ランランだろうか。 本書のテーマである『バラード第四番』…

【書評】カズオ・イシグロ著「夜想曲集」 越谷政義監修「ジャパニーズ・ロック・インタ ビュー集」

とにかく面白かったこの一冊 (特)カズオ・イシグロ著 土屋政雄訳『夜想曲集』  お薦めの一冊目は、若い頃はミュージシャン志望だったというカズオ・イシグロの、初の短編集『夜想曲集』です。往年の大物歌手、無名のバックプレイヤ…

【書評】奥泉光 著「シューマンの指」(日本経済新聞 2010年8月15日付朝刊)

ピアニストは指がすべて。優れた音楽性があっても優れた指がなければ演奏できない。そんなことを言われる。私も、自著に「指」を盛り込んだタイトルをつけることが多い。でも、本書のタイトルは「指がすべてではない」という意味に使われ…

【書評】角田光代著「ひそやかな花園」(サンデー毎日 2010年8月15日付朝刊)

生まれてきてよかったと思うために あるピアノの生徒が不妊症に悩み、人工受精で子供を授かった。快哉を叫んだが、同時に、そうして生まれてきた子供が背負わされるものにも思いをはせた。 本書のテーマはさらに複雑だ。登場人物の七人…

【書評】ジェレミー・マーサー著「シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々」(北海道新聞 2010年6月27日朝刊)

ヘミングウェイ『移動祝祭日』には、シルビア・ビーチの「シェイクスピア書店」のことが出てくる。失われた世代が集った伝説の書店だ。一九四一年に閉店したが、十年後に新しい書店が開店し、ヘンリー・ミラーやアナイス・ニンが頻繁に出…

【書評】末延芳晴 著「寺田寅彦 バイオリンを弾く物理学者」平凡社(北海道新聞 2010年1月31日朝刊)

音楽感じる希有の才能 仕事がら、音楽や音楽家が登場する作品の解説を依頼されることが多い。もちろん喜んで書かせていただくが、音楽とは気持ちの流れや自然の律動、光の振動に音高や響きを与えたものだから、モティーフとして扱うだけ…

【書評】鹿島茂 著「モンマルトル風俗事典」(サンデーらいぶらりぃ 2009年4月14日号)

饗宴のスぺクタクルを読む! ◇『モンマルトル風俗事典』鹿島茂・著(白水社/税込3360円) モンマルトルといえば、赤い風車の「ムーラン・ルージュ」。 ロートレックが描いたラ・グリュ(大食い女の意)は、「マハラジャ」のお立…

「私のすすめる岩波新書」より 小澤勲 著「痴呆を生きるということ」(岩波『図書』2008年)

『痴呆を生きるということ』(小澤勲) ついさきころ、95歳の母を見送った。 認知症で自宅介護7年、施設入所8年。 本書が刊行されたときはすでに施設にお世話になっていたが、認知症を病む人々の内面をおしはかり、深いいつくしみ…

【書評】桐生典子 著「天上の白い笑み」(サンデー毎日 2007年8月5日号)

女同士に本当の友情は育たないとよくいわれる。ジェラシーが激しいからだそうな。本当にそうかしら? 私には、親友と呼べる女性ピアニストがいる。縁あって同じ音高・音大にすすみ、デビューしてからも互いの活動を励ましあっている。お…

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