バロックから現代までの花のタイトルをもつ小品集。その選曲も、同時期に書籍『花を聴く 花を読む』を刊行する点も、マルチな才能を持つ青柳いづみこらしい。印象深い曲から書くと、まずシベリウス「花の組曲」。自然を愛したこの作曲家らしい細やかな神経が行き届き、豊かな楽想が散りばめられて、どこに行くのか読めないところも楽しい。シューマン「献呈」はよくあるリスト編曲ではなく、クララ編曲がいい。心のこもった歌い回しが美しく、詩が聴こえてくるかのよう。伊左治直「ルコウソウ」は快活で、聴いているとウキウキしてくる。タイユフェール「フランスの花々」は不思議な気配と味わい。
文:横原千史
*CDランダム5枚*
CD関連記事 ランダム5件
- 【CD評】「6人組誕生!」(ぶらあぼ 2020年3月号)
- 昔の歌 ― 安川加壽子門下生発表会より
- 【CD評】「ドビュッシーの神秘」レコード芸術 2012年10月号 評・那須田 務
- 【CD評】「花のアルバム」(レコード芸術 2022年2月号)
- 【CD評】「シューベルトの手紙」(CDジャーナル2023年夏号)
Pick Up!
CDのご注文
サイン入りCDをご希望の方
ご希望の方には、青柳いづみこサイン入りのCDをお送り致します。
ご注文フォームに必要事項をご記入の上お申し込みください。
お支払い方法:郵便振替