バロックから現代までの花のタイトルをもつ小品集。その選曲も、同時期に書籍『花を聴く 花を読む』を刊行する点も、マルチな才能を持つ青柳いづみこらしい。印象深い曲から書くと、まずシベリウス「花の組曲」。自然を愛したこの作曲家らしい細やかな神経が行き届き、豊かな楽想が散りばめられて、どこに行くのか読めないところも楽しい。シューマン「献呈」はよくあるリスト編曲ではなく、クララ編曲がいい。心のこもった歌い回しが美しく、詩が聴こえてくるかのよう。伊左治直「ルコウソウ」は快活で、聴いているとウキウキしてくる。タイユフェール「フランスの花々」は不思議な気配と味わい。
文:横原千史
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