ピアノで弾くクラヴシニストの伝統は、日本では恩師安川加壽子の門下に受け継がれています。1954年から60年にかけて開かれた小中高の子供たちによる門下生発表会に、青柳いづみこが初めて参加したのは57年。曲目はクープランの『小さな虚無』でした。フランス文学者を祖父にもつ青柳は、幼くして、ルイ王朝貴族の色っぽい風俗をほのめかす表現を感じ取り、その後もクープランやラモーを弾くたびに、宮廷文化にはぐくまれた装飾的で洗練された音楽に惹かれたようです。ピアノ演奏と文筆の二つの表現世界を行き来する青柳は、『やさしい訴え ~ラモー作品集~』で、音と言葉を溶け合わせたような深い趣を醸し出しています。
曲目
「クラヴサン曲集」(1724)
鳥のさえずり ロンドー形式のミュゼット
タンブーラン 田舎風 やさしい訴え 喜び
気粉れ ミューズたちの対話 ひとつ目巨人たち
「新クラヴサン曲集」(ca1728)より
ガヴォット ガヴォットのドゥーブル メヌエット
めんどり 異名同音 エジプト女たち
「コンセールによるクラヴサン組曲」より5曲(1741)
リヴリ 挑発的 内気 無遠慮 王太子妃(1747)
演奏 | 青柳いづみこ(ピアノ) |
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録音 | 2005年6月7日~9日 |
使用楽器 | 1887年製スタンウェイ |
発売日 | 2005年10月7日 |
レーベル | ALM RECORDS |
価格 | 3000円(税込) |
CD番号 | ABCD-7098 |
CD評
- 【CD評】「やさしい訴え ラモー作品集」読売新聞 2005年10月20日夕刊
- 【CD評】「やさしい訴え ラモー作品集」ぶらあぼ 2005年11月号 評・遠山菜穂美
- 【CD評】「やさしい訴え ラモー作品集」ぶらあぼ 2005年11月号 評・高野麻衣
- 【CD評】「やさしい訴え ラモー作品集」音楽現代 2005年11月号 評・横島浩
- 【CD評】「やさしい訴え ラモー作品集」ショパン 2005年11月号 評・壱岐邦雄(音楽評論家)
- 【CD評】「やさしい訴え ラモー作品集」レコード芸術 2005年11月号 評・皆川達夫 服部幸三 神崎一雄
- 【CD評】「やさしい訴え ラモー作品集」評・阿部崇(フランス文学者)
- 【CD評】「やさしい訴え ラモー作品集」評・中条省平(フランス文学者)