「あらゆる芸術は音楽の状態に憧れる」と言ったのはウォルター・ペイターだが,青柳いづみこの音楽を聴くと,その言葉が大いなる逆説であることに気づかされる。青柳自身が語っているように,これらラモーの小品は「プルーストもかくや」の隠喩を含みながら,小気味よく,優美で,率直な印象が耳に残る。新鮮に聴こえるのは,クラヴサン曲をピアノで弾く伝統のためなのか。これもまた逆説的である。ドビュッシーと青柳が,ラモーを好むのはとても納得がいく。実にフランス的だからである。聴き手はCDを手にした瞬間からその世界観に引き込まれることだろう。
*CDランダム5枚*


CD関連記事 ランダム5件
- 【CD評】「やさしい訴え ラモー作品集」評・阿部崇(フランス文学者)
- 【関連記事】「浮遊するワルツ」レッスンの友 2003年11月号 インタビュー
- 【CD評】「クロード・ドビュッシーの墓」(オーディオアクセサリー2018年6月号)
- 監修アルバム「眠れない夜に聴く。~ミステリー・クラシック~」
- 【CD評】『物語』Histoires(ぶらあぼ 2021年4月号 評・長井進之介)
Pick Up!
CDのご注文
サイン入りCDをご希望の方
ご希望の方には、青柳いづみこサイン入りのCDをお送り致します。
ご注文フォームに必要事項をご記入の上お申し込みください。
お支払い方法:郵便振替