【書評】「高橋悠治という怪物」(intoxicate 2018年12月号 評・板谷祐輝)

「初めての高橋悠治論」、たしかに思い返すと高橋悠治“が”語る書籍はあれど、高橋悠治“を”語る書籍は少ないかもしれない。稀代の作曲家・ピアニストでありながらクラシック界のスターとして君臨している高橋悠治。彼のルーツや膨大な演奏の記録を語りつつ、大指揮者や巨匠作曲家と密な関係を築きながらも現代音楽の世界だけには留まらない彼の音楽像を浮き彫りにしている。同じくピアニスト/文筆家の両方の顔を持つ青柳いづみこが様々な資料や記録を紐解き紡ぐ本書は、高橋悠治を知るうえで欠かせない一冊となるだろう。

高橋悠治論
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