ドビュッシー「海」6手2台で ピアニスト青柳さんらが新譜
文筆家としても活動するピアニスト青柳いづみこさんが、他のピアニスト二人とともにドビュッシーの代表作「海」の「六手二台ピアノ版」のCD(OTTAVA)を昨年十二月に発表した。「海」はオーケストラ編成の原曲に加え、弾き手二人による「二台ピアノ版」が知られるが、「六手二台版」は楽譜も出版されておらず、演奏は極めて珍しい。
六手二台版の編曲は、二台ピアノ版と同じく、ドビュッシーの後輩の作曲家アンドレ・カプレが手掛けた。第一ピアノを一人が担当し、第二ピアノを二人で連弾する形式。ドビュッシー研究と演奏の第一人者の青柳さんによると「ごくわずかな研究者しか存在を知らなかった」という。
青柳さんは二〇一八年八月、フランス国立図書館に所蔵されていたコピー譜を“発掘”し、複写を入手。ピアニストの森下唯さん、指揮者でもある田部井剛さんとの共演で一九年一月に日本初演し、好評を受けて録音が決まった。
青柳さんは、六手二台版について「オーケストラ曲としての『海』は捉えどころがなく、曖昧模糊(もこ)とした印象だったが、この編曲版で初めてどんな曲か分かり、多彩な魅力に目を開かれた。バス(低音)が深く響き、その上に乗る…
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