【関連記事】「水のまなざし」産経新聞 2010年12月11日

音楽と映像で小説を要約

1曲目は「悲愴ソナタ」だった。〈ベートーヴェン『悲愴ソナタ』のアダージョを弾こうとすると、いつも楽譜から歌が聞こえてきた〉という小説の書き出し、そのままに。

ピアニストで文筆家の青柳いづみこさんが処女小説「水のまなざし」(文芸春秋)を発表したが、この夜の集いは、いわゆる出版パーティーとは大違い。グランドピアノに向かい、30人ほどの文芸・音楽関係の友人や編集者らに“音楽と映像”で小説を要約してくれた。
 突然「声」を失ったピアニスト志望の多感な少女が、やがて自己回復するまでの物語。

青柳いづみこ「人間の声がテーマ。ピアノは打楽器です。いかに人の声のように弾くか。わかったと思ったことが次の日、それはウソだったと気付く。それが音楽家の道行きというものです」

あらすじをたどりつつ、小説に登場するショパンの「別れの曲」などを次々に。声楽家の和田ひできさんもシューベルトの「菩提樹(ぼだいじゅ)」などを歌唱。さらに、能「隅田川」など、特別に用意した映像も上映された。
このため、乾杯となったのは開始から1時間半後。

やおら「北の宿から」とショパンの「ピアノ協奏曲」の出だしを弾き、「ショパンって演歌に近いんだと思う。私、いま、初めてアルコールを飲んでから弾きました」。すかさず和田さんが「函館の女(ひと)」を朗々と。

最後に全員が一言ずつスピーチ。仏文学者の石井洋二郎さんの番では「先生は何か一曲歌う!」と青柳さんから注文。

「それでは」とマイクを手にした石井さん。「『函館の女』が出てくるとは思わなくて、ライバル心をそそられたんですけど、いつの日か青柳さんの伴奏で『函館の女』を歌うというぜいたくな思いをぜひさせていただきたい」と沸かせた。(山根聡)

水のまなざし
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