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時の流れと色彩に焦点をあてた青柳いづみこのドビュッシー。あるときはユーモアたっぷり、あるときは夢限的に、またあるときは躍動感にあふれ、青柳いづみこの繊細な指先はドビュッシーの精神をあますところなく描き出しています。

ピアノ演奏と文筆の二つの表現世界を行き来する青柳は、『やさしい訴え　～ラモー作品集～』で、音と言葉を溶け合わせたような深い趣を醸し出しています。

長年にわたるドビュッシー研究は、毎年開催してきたリサイタルのコンセプトを濃密にしたばかりでなく、作曲家としてのショパンとリスト、ドビュッシーとラヴェルのあり方の違いに目を開かせました。