【関連記事】3人で弾く「海」豊かな響き(神戸新聞2024年4月12日付夕刊)

ピアニスト3人が2台のピアノでドビュッシーの交響詩「海」』などを奏でるコンサートが5月2日、西宮市の兵庫県立芸術文化センターである。ドビュッシー研究の第一人者で大阪音楽大名誉教授の青柳いづみこらが、めくるめく色彩の乱反射を表現する、 (藤森恵一郎)

青柳いづみこ、藤井快哉、辰野翼
ドビュッシーの名曲協演

管弦楽の名曲「海」のピアノ編曲では、ドビュッシーの友人で作曲家のアンドレ・カプレが手がけた、弾き手2人の「4手2台版」などが知られる。だが、同じくカプレが編曲した、3人による「6手2台版」は出版されておらず珍しい、青柳が2018年にフランス国立図書館で楽譜コピーを入手。19年の日本初演では豊かな響きで話題を集めた。

今回、青栁と協演するのは、同大教授の藤井快哉(よしき、神戸市須磨区出身)、松方ホール音楽賞など国内外で数々の賞を受けているピアニスト辰野翼(同市北区出身)。技巧を要する第1ピアノを藤井が弾き、第2ピアノは青栁が上パート、辰野が下を連弾する。辰野は「コンチエルト(協奏曲)のような編成で、4手2台版より音の厚みを感じられる。ドビュッシーが意図した本来の音に近いのではないか」と語る、

公演では他に、辰野がパリで研究を重ね、この日満を持してCDを発売するドビュッシー「12の練習曲」より、第1、5、6番など6曲をソロで披露、3人による6手2台でファリャ「スペインの庭の夜」、青柳と藤井の4手2台でドビュッシー「白と黒で」も予定する。

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