自分はこう読み、こう解釈する。自分はこう弾ける。自分はこう、自分はこう…ということのいっさいない演奏。いや正確には、そんなものどうでもいいじゃないかとばかり、“自分”の痕跡をとどめぬよう、余計なものを軽やかに削ぎ落としていった演奏。つまり無私だ。残ったのは何の意識も効果も賞賛も求めない、朴訥または裸形とも言える音たち。そのようにソロと連弾で弾かれた、シューベルト晩年の作品の何たる美しさ。(石原立教)
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