【書評】「双子座ピアニストは二重人格?」月刊現代 2005年1月号

本のエッセンス

ステージ上のピアニストは、演奏中なにを考えているのだろうか。著者の場合、着なれないドレスが気になったり、遠くに見え隠れする観客の様子が気になったり・・・。暗譜を忘れて、頭のなかはパニック状態ということもあるらしい。

うまく弾けているときは、かえって調子に乗りすぎて自分に良い、脱線、大穴という羽目に。

舞台上の演奏家の心理状態を独特のセンスで表現する著者は、原稿用紙の上では、経験と博識を縦横にちりばめながら、言葉を巧みに操ることに成功している。音楽を読むエッセイ。

双子座ピアニストは二重人格?—音をつづり、言葉を奏でる
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