ガラガラから満員まで
9月のツアーが終ったあとは、新刊『神秘のピアニスト アンリ・バルダ』(白水社)と新譜『ミンストレル』(キングインターナショナル)、そして10月にエイベックスからリリースされたコンピレーション・アルバム『眠れない夜に聴く、ミステリー・クラシック』のプロモーション・イベントに追われた。
最初は10月6日、タワー・レコード渋谷店でバルダ本のインストア・イベントである。昔は渋谷にタワレコとHMVの2店があり、新譜を出すたびに両方を1時間間隔ぐらいでかけもちしていたっけ、となつかしくなる。…
ニュー・アルバム『ミンストレル』・・・いろいろ違ってます。
猛暑の夏、如何お過ごしですか? 世界水泳が終わったと思ったら世界陸上が始まり、昼間は甲子園の高校野球と24時間スポーツ漬けの青柳です。
7月15日から24日まで、CDアルバム『ミンストレル』の編集と室内楽の合わせでパリに滞在していたのだが、彼の地がとんでもなくまた暑く、連日36度まで上がる。パリでは普通のことだが、私が泊まっていたアパルトマンには冷房がなく、しかも目の前で大がかりな工事がおこなわれ、朝の6時(!)からブルドーザーが稼働しはじめる。…
2013年に寄せて
新メルド日記の読者の皆さん、明けましておめでとうございます。
といっても、もうほとんど1月たってしまったけれど。
2012年9月21日、28日の浜離宮朝日ホールでの『黒猫』コンサートにいらしてくださった方々、ありがとうございました。おかげさまで大盛況のうちに無事終了、2回の打ち上げもわいわい楽しかった。…
オンディーヌの呪い ふたたび
新譜CD『ドビュッシーの神秘』(カメラータ)は、8月25日にいったんリリースされたが、マスターテープの一部に不具合が見つかったため回収。再リリースは9月5日に予定されている。
不具合は9曲め「水の精(オンディーヌ)」の開始29秒ぐらいの箇所で、一瞬、電源が切れたようにしゅっと無音になり、またすぐに戻る。耳をすませていないとわからないほどの微細な「音の消失」だ。…
ドビュッシー生誕150年の年
『新メルド日記』の読者の皆さん、長らく更新を怠っていてごめんなさい。
今年はドビュッシー生誕150年にグレン・グールド生誕80年・没後30年が重なり、レコーディングと関西ツアーで演奏も忙しく、HPに書く時間とエネルギーを、依頼原稿や単行本の執筆、ピアノの練習に全部吸いとられてしまった。せっかく、東京創元社から『メルド日記』単行本化のお話もいただいているというのに。
2月は2度もパリに行った。一度めは2月2日から5日まで開催されたドビュッシー生誕150年記念国際シンポジウムに出席するため。このときのてんまつは、『図書』9月号から4回連載で書いている。…
MERDEとは?
「MERDE/メルド」は、フランス語で「糞ったれ」という意味です。このアクの強い下品な言葉を、フランス人は紳士淑女でさえ使います。「メルド」はまた、ここ一番という時に幸運をもたらしてくれる、縁起かつぎの言葉です。身の引きしまるような難関に立ち向かう時、「糞ったれ!」の強烈な一言が、絶大な勇気を与えてくれるのでしょう。
ピアノと文筆の二つの世界で活動する青柳いづみこの日々は、「メルド!」と声をかけてほしい場面の連続です。読んでいただくうちに、青柳が「メルド!日記」と命名したことがお分かりいただけるかもしれません。
新MERDE日記 記事一覧
- ジュリーのライヴに行ってきました(2011.1.13)
- Mr. AOYAGI? 違うんです!(2011.1.16)
- 芸能事務所にスカウトされてみました(2011.1.29)
- 原智恵子さんのベヒシュタイン(2011.2.23)
- 窮鼠人間を咬む?(2011.5.12)
- ジェローム・ロビンスのバレエとアンリ・バルダ その1(2011.6.5)
- 「安川加壽子記念会 30年の時を経て蘇る秘蔵映像」を終えて(2011.6.30)
- ジェローム・ロビンスのバレエとアンリ・バルダ その2(2011.7.31)
- ドビュッシー生誕150年の年(2012.9.2)
- オンディーヌの呪い ふたたび(2012.9.2)
- 2013年に寄せて(2013.2.1)
- ニュー・アルバム『ミンストレル』・・・いろいろ違ってます。(2013.8.17)
- ガラガラから満員まで(2013.11.20)
- 2014年前半の予定(2014.1.18)
- イヴォンヌ・ルフェビュールと審美眼(2014.3.21)
- フランス音楽マラソンコンサート(2014.3.22)
- 感動ということ。(2014.3.24)
- 専門家が聴くということ。(2014.4.14)