青柳いづみこと西本夏生のピアノ・デュオで、スペインから霊感を受けたフランス音楽集。ドビュッシーの「イベリア」が面白い。管弦楽曲からの編曲だが、音楽内容も響きも実に豊かだ。セビリャーナスの踊りの躍動、ウキウキとした散策、夜のしじまの繊細な響きの移ろい、何が出てくるかわからない祭りの朝など、聴き手の想像力を大いに刺激する。「白と黒で」は多彩な楽想の交錯から、ドビュッシー晩年の自由で融通無碍な境地が透けて見える。ミヨー「屋根の上の牛」は陽気な主題に、ブラジルの俗謡や踊りの音楽が、時に調子外れに挟まる。そのギャップが楽しい。(横原千史)
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