本盤は、異国の風景や伝承が色とりどりのハーモニーで描かれるイベール「物語」をピアニスト・文筆家の青柳いづみこが軽やかに奏でて幕を開ける。言葉やイメージと音楽が素晴らしく結びついたとき、音の色彩の密度がさらに濃く、そして輝きを放って聴こえてくるということが改めてよくわかる。特にミヨーの「ボヴァリー夫人のアルバム」が素晴らしい。青柳の言葉を繊細に扱う朗読に、高橋悠治の静かで硬質ながら、そっとあたたかさが伝わる演奏が結びつくことで、次々と色鮮やかな映像が浮かんでくる感覚を味わえた。”表現”の新たな可能性と感動に出会ったような気がする。
*CDランダム5枚*


CD関連記事 ランダム5件
- 【関連記事】「浮遊するワルツ」音楽の友 2003年11月号 文・石戸谷結子
- 19歳のシューベルト Schubert at 19
- 『物語』Histoires
- 【CD評】「やさしい訴え ラモー作品集」読売新聞 2005年10月20日夕刊
- 【CD評】「ドビュッシーの神秘」朝日新聞 2012年9月3日
Pick Up!
CDのご注文
サイン入りCDをご希望の方
ご希望の方には、青柳いづみこサイン入りのCDをお送り致します。
ご注文フォームに必要事項をご記入の上お申し込みください。
お支払い方法:郵便振替