”ドビュッシー没後100年”の記念の年に、まさにぴったりの1枚をご紹介します。
フランス近代を代表する大作曲家、クロード・ドビュッシーは、生涯にわたって東洋の島国・日本への憧れを抱き続けたことで知られています。19世紀半ばのパリ万国博覧会に端を発したとされる、日本美術からのヒントを得た西洋の文化人による新しい創作活動を”ジャポニズム”と呼びます。この文化的潮流は、当時のフランス音楽家たちにも大きな影響を与えました。
ドビュッシーも日本美術、特に葛飾北斎を好み、代表曲である交響詩『海』は、北斎の『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』に着想を得て作曲され、初版の『海』の表紙にもこの浮世絵が使われたほどでした。
このアルバムは、ドビュッシーの『海』のほか、ジャポニズムを反映したフランス音楽の傑作に出合える1枚です。(鮎原佳奈)