「あらゆる芸術は音楽の状態に憧れる」と言ったのはウォルター・ペイターだが,青柳いづみこの音楽を聴くと,その言葉が大いなる逆説であることに気づかされる。青柳自身が語っているように,これらラモーの小品は「プルーストもかくや」の隠喩を含みながら,小気味よく,優美で,率直な印象が耳に残る。新鮮に聴こえるのは,クラヴサン曲をピアノで弾く伝統のためなのか。これもまた逆説的である。ドビュッシーと青柳が,ラモーを好むのはとても納得がいく。実にフランス的だからである。聴き手はCDを手にした瞬間からその世界観に引き込まれることだろう。
*CDランダム5枚*
CD関連記事 ランダム5件
- 【CD評】「ロマンティック・ドビュッシー」ぶらあぼ 2010年11月号 評・堀江昭朗
- ドビュッシー: 「海」、ファリャ: 「スペインの庭の夜」、グレインジャー: 「緑の茂み」
- 【CD評】「水の音楽」レコード芸術 2001年10月号 評・野平多美
- 大田黒元雄のピアノ 100年の余韻
- 【CD評】「浮遊するワルツ」ぶらあぼ 2003年12月19日夕刊
Pick Up!
CDのご注文
サイン入りCDをご希望の方
ご希望の方には、青柳いづみこサイン入りのCDをお送り致します。
ご注文フォームに必要事項をご記入の上お申し込みください。
お支払い方法:郵便振替