【インタビュー】「クロード・ドビュッシー没後100年命日前日メモリアル・コンサート」(ショパン 2018年3月号)

青柳いづみこ、ドビュッシーを弾く
−求め続けた美の精華−

ドビュッシーの研究・演奏の泰斗、青柳いづみこさん。音楽と学術とを架橋する稀有な存在として活躍を続けている。フランス文学者だった祖父の影響でフランスの詩人たちのたくさんの本に囲まれて育った青柳さんにとって、ドビュッシーは最も”親密な”作曲家だという。「ドビュッシーは印象主義の作曲家と言われ、お洒落で優雅で繊細というイメージで止まっていることが多いですが、実はもっとずっと奥が深いのです。人間のあり方と正面から向き合い、それをどうやって音楽にするか常に追求していました。深淵な意味を持つ音楽だと感じています」

ドビュッシー没後100年となる2018年は、命日の前日にあたる3月24日に追悼演奏会を開催する。「特に注目していただきたいのは《前奏曲集1巻》です。全部で12曲あるのですが、それぞれの曲の方向性が全く違っているので、いかに弾き分けるか……12通りのドビュッシーを表現したいと思っています。また、〈イベリア〉は、オーケストラのための作品ですが、第3楽章のモティーフが《前奏曲集1巻》〈途絶えたセレナード〉の中にも使われています。〈途絶えたセレナード〉を聴いた後で、〈イベリア〉を聴いていただければ『あ、あの時のあれ!』という発見があると思います」公演当日は、青柳さんがこれまでの研究の過程で集めためずらしい資料のロビー展示も予定されている。

理論と実践を往還させ、音楽の更なる境地を開拓し続ける青柳さん。今後の活躍からも目が離せない。

(文 ◎ 編集部 中島成美)

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