【書評】「アンリ・バルダ 神秘のピアニスト」サンデー毎日 2013年09月17日号 評・岡崎武志

サンデー・ライブラリー いいもんはいい、ダメなもんはダメ

ピアニストで文筆家・青柳いづみこの新著が『アンリ・バルダ 神秘のピアニスト』。

この「知られざる幻の巨匠」と呼ばれたユダヤ系フランス人ピアニストの演奏に心酔した著者は、演奏会を追っかけ、やがて親しくなる。訪問したパリのアパートからエッフェル塔が見えるが、巨匠は見えないふりを。そんな逸話を交えながら、その生涯と演奏のすごみを解説する。「端正だが少しも冷たくない」「さまざまな音色がとびかう」演奏が聴こえてきそうな文章。

アンリ・バルダ神秘のピアニスト
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