ドビュッシーの心奏でる、生誕150年、デュオコンサート
ピアニストで文筆家の青柳いづみこがバイオリニストの大谷康子と、ドビュツシーの生誕百五十周年を締めくくるデュオコンサートを二十二日午後六時から名古屋・栄の宗次ホールで開く。若く貧しい時代、マラルメやヴェルレーヌら詩人たちとの交友、各声、がんに侵された晩年ーといった生涯を、演奏とトークでたどる。
「月の光」「亜麻色の髪の乙女」や、バイオリンとピアノ版「牧神の午後への前奏曲」(ハイフェッツ編)、生前最後の曲「バイオリンとピアノのためのソナタ」ほか、スケッチを基に英国の音楽学者が補筆・完成させた「セレナーデ」など珍しい曲も披露する。ドビュッシー研究家として名高い青柳は「彼は人間の五感と音楽を結びつけた人なので、おいしい料理や香水の香り、手触りの良い布などのようにその音楽を楽しめると思う。皮肉っぽいユーモアを筆頭に、さまざまな感情も追体験できる」と魅力を語る。年の初めにも共演した大谷については「比較的かわいそうな人生を送ったドビュッシーを優しく抱きしめるような演奏」と、温かな人柄を称賛した。