【CD評】「大田黒元雄のピアノ 100年の余韻」月刊『無線と実験』12月号 評・平林直哉

大田黒元雄(1893-1979)は日本の音楽評論の草分け的存在だった。1913年、20歳の大田黒はロンドンに渡り、当時日本では知られていない作品を多数耳にした。帰国後は音楽評論を始めるとともに、大田黒邸には多数の音楽好きが集結した。さらに1917年、大田黒はピアノを購入、自宅で数々の未知の作品が演奏された。1918年、プロコフィエフが来日した際に、彼は大田黒邸のピアノを弾いたのだった(解説書には、その時の写真が掲載されている)。このCDは大田黒邸のピアノを修理し、かつて大田黒邸で行われていた「ピアノの夕べ」を再現したものだ。収録は2016年3月、6月。かつての書斎(現在は記念館)で鳴らしたピアノを録音しており、CDを鳴らすと、まるで目の前で弾いているような臨場感だ。青柳、高橋の両者のタッチの違いも楽しめるし、その2人の連弾もスリリングだ。解説も非常に充実しており、日本のクラシック音楽受容史をひもとくという点でも、まことに意義のある発売といえる。

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