【関連記事】「至福のデュオ フランス音楽の夕べ」ショパン 2011年9月号 インタビュー

演奏活動のみならず、著作も多く(最新刊『グレン・グールド』は18冊め!) 、またその評価も高い青柳いづみこさん。ソリストとしての印象が強く、今回はデュオで「珍しいですね」と言ったところ、「実は…」留学先のマルセイユ音楽院ではヴァイオリン科のコレペティトーアの仕事をしていたと聞いて驚いた。

共演者クリストフ・ジョヴァニネッティ(パリ音楽院教授)は、マルセイユ音楽院の同級生。と言っても、既に東京藝術大学大学院を出ていた青柳さんより6、7歳年下の天才少年で、その学生時代から演奏活動を行った。その後も親交は続き、パリ管弦楽団の一員として、また彼が第ーヴァイオリンとして結成したイザイ四重奏団のメンバーとして何度も来日。また、青柳さんも演奏活動やドビユッシー研究などのためにパリを訪れるたびに彼とは会っている。デュオは今回が日本デビューとなるが、フランスでは今もしばしば演奏している。「デュオとして一体になっているという評価を受けまして、是非日本でもやってみようと。何年も前から計画して、やっと実現しました。」

東京公演はオール・フランス・プログラム。 「まず、プーランクのソナタを決めました。ユーモアとペースが彼のヴァイオリンにぴったりです。そしてフォーレのソナタ1番は、ふたりの師匠のバルビゼに音色とタッチのコントロールを叩き込まれました。これにはフランス風の”響きの美食趣味”が不可欠で、ただ弾くとブラームスになってしまいます」 お得意のドビュッシーは、「来年生誕150年なので、いろいろおもしろい企画を思案中です。お楽しみに」とのことだ。

文◎編集部 原口啓太

至福のデュオ フランス音楽の夕べ
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