【関連記事】「青柳いづみこ 新刊記念ライヴ」産経新聞大阪本社 2005年3月30日夕刊

ピアニストの青柳いづみこ 新エッセー集 音楽家ならではのスパイス

4月1日に記念コンサート 兵庫・養父の水害支援も訴え

文筆の世界でも活躍するピアニストの青柳いづみこが、新エッセー集『双子座ピアニストは二重人格?』(音楽之友社)を発表した。記念のコンサートを4月1日午後7時から、新大阪のムラマツリサイタルホールで開く。ステージでは、昨秋の台風23号で大きな被害を受け、いまだ復興ならぬ母方の郷里・兵庫県養父市への支援を訴え、収益を同市に寄附する。

新刊は、ここ20年ほどの間に発表したエッセーをまとめた。「ただ、寄せ集めるだけでは嫌なので、かなり手を入れました」と青柳。軽妙な中にスパイスをピリリと利かせた独特の文体。日本における批評のむなしさ、演奏家のステージを前にした緊張、専門でもあるドビュッシーの知られざる側面、「弾いて書くピアニスト」の日常から、音楽界の抱える問題点までが透けて見えてくる。

そして「いわばロココつながりで(作品を)選びました」という今回のステージ。ロココ趣味の象徴のような存在のラモー、その残り香のようなサロン文化の中で活躍したショパン、そしてロココ趣味にあこがれたドビュッシーを取り上げた。「月の光」など耳になじみのある作品群が、独創的なアプローチで知られる青柳のプレーによって、また違った輝きを放つことだろう。

青柳の母方の里は、養父市の宿南地区。地区の名ともなった母方の宿南家は、代々庄屋の家系で、江戸中期に建てられたかやぶき屋根の住宅は、市の文化財指定を受けている。同地区は昨年10月の水害で全戸の半数近くにあたる125軒が床上浸水するなど甚大な被害を受けた。ステージでは、宿南についてのトークも交え、支援を訴えるという。

「山陰線が復旧した1週間後、私も現地に入りましたが、あまりのひどさに言葉を失いました。しかも、直後に新潟での地震が起きたこともあって、この被害は、ほとんど報道もされなかった。実は、今もまだ床が乾かないため、多くの家庭で畳を敷くこともできない不自由な生活を強いられています。ピアノを通じて、少しでもお手伝いができれば」 (寺西肇)

青柳いづみこ 新刊記念ライヴ
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