【書評】「ショパン・コンクール見聞録 革命を起こした若きピアニストたち」(週刊東洋経済新聞 2022年11月26日)

評者・キャリアアドバイザー 林 雅彦

既存の価値観を覆すような “革命的な” 演奏

2021年に行われた第18回ショパン国際ピアノコンクール。反田恭平が日本人として51年ぶりの2位入賞を果たし、小林愛実も4位入賞と日本人が大健闘した。演奏者らの実演の印象や、審査でどんな点が重視されるかの傾向はもちろん、会場で聴く生演奏とライブ中継視聴との違いから生じる演奏評価のズレなど新しい課題についても論じる。

楽曲をどう演奏するかは永遠の課題だ。ショパン自身は即興を楽しみ、装飾音を自在に操り、同じ曲でも弾くたびに違ったというが、著者によれば、ショパンコンクールでも評価軸は一様ではない。21年は「楽譜に忠実」なことだけでなく、現代流の解釈も評価された。

ピアニスト兼文筆家の練達の筆により、国際音楽コンクールの醍醐味を知ることができる。18年のピリオド楽器(楽曲制作当時の楽器)コンクールに関する話も面白い。

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