【書評】音楽で生きていく! 10人の音楽家と語るこれからのキャリアデザイン(ハンナ2020年1月号)

音楽大学を卒業して、音楽を仕事として生きていく。音楽大学に入る多くの人が夢見る世界だが、それを実現できるのはほんの一握りだけだ。そのほんの一握りは、他と何が違うのか? 生まれ、家庭環境、思考…。成功を勝ち取るための戦略を探るべく、ピアニストであり文筆家の青柳いづみこさんが20代後半から30代前半の若き音楽家たちと、”キャリアデザイン”をテーマに本音トークを繰り広げる。

登場するのは、イタリアを中心に大活躍のメゾ・ソプラノ脇園彩さんやカウンターテナーの村松稔之さん、指揮者の川瀬賢太郎さんや三弦奏者、作曲家など総勢10名の音楽家たち。脇園さんひとりを取っても、物事の受け取り方、幸運な出会い、海外でより機会を得るための判断など、刺激的な内容が満載だ。それぞれの対談には次世代へのメッセージがあり、これから音楽界へ羽ばたく若者への大きなエールになることだろう。本書を読むことで、音楽で生きていく希望と勇気を多くの若者に持っていただきたいと心から思う。

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