フランス近代音楽史上、最も鮮やかなコントラストを見せる2人の作曲家、エリック・サティとクロード・ドビュッシー。ともに世紀の変わり目にセンセーショナルな作品を生みだし、親友でありライバルでもあった2人のどちらが、より20世紀音楽の先駆者であったのか。
ピアニストでもある著者は、〈奇才〉サティとく天才〉ドビュッシーの足跡を丹念に追い、若い頃に親密な交流を通してお互いに影響し合いながら、後に反目するようになった理由を解き明かしていく。作曲家のラベルや詩人のコクトー、画家のピカソら2人の「対決」に関わる豪華な登場人物たちも花を添えている。
(松本良一)




