共にフランスを代表する作曲家のサティとドビュッシー。ピアニストで文筆家の青柳いづみこさんが、さまざまな資料に基づき、2人の交友や音楽性の神髄に迫った新刊「サティとドビュッシー 先駆者はどちらか」(写真、春秋社)を刊行した。
「ドビュッシーは古くサティは新しい」「ドビュツシーはサティをまねた」と対立関係で語られてきた2人。ドビュッシー研究の第一人者の青柳さんからすれば「サティはタイトルが奇抜なだけで面白いと思わなかった」。
ところが、2016年に作曲家でピアニストの高橋悠治さんが弾くサティの「三つのサラバンド」の奇抜さに耳を奪われ「斬新さは計算なのか。本当にドビュッシーはまねたのか」と関心を持った。
当時の書簡や証言などを丹念に読み解き、サティが独自の音楽理論を確立していたことやドビュッシーとの発想の共通点などを明らかにしなのが今作だ。「今はサティの作品の弾き方もしっかり伝えたいという使命感を抱いています」
13日に東京・浜離宮朝日ホールで高橋さんと共演する刊行記念の演奏会を開催。サティの楽曲を弾いたCDも発売する。




