100年の時を越えて
『島崎藤村が聴いたドビュッシー』
青柳いづみこ Interview
時は1914年、第一次世界大戦前夜。パリに滞在していた作家・島崎藤村が、ドビュッシーの実演を聴いていた…! このコンサートが、10月21日(火)と31日(金)にハクジュホールにて、青柳いづみこさんによつて、100年の時を越えて再現される。
「聞きどころは3つあります。まず晩年のドビュッシーを特集したくて、100年さかのぼった1914年に注目しました。その頃のドビュッシーはお金に困って演奏活動を多くしていたんですね。その中で、ヴァイオリンのアーサー・ハルトマンとグリーグのヴァイオリン・ソナタ第2番を弾き、ハルトマンが編曲した〈亜麻色の髪の乙女〉〈ミンストレル〉を共演していたことに興味を持ちました。島崎藤村が聴いたコンサートでは《子供の領分》を弾き、ソプラノのニノン・ヴァランと《マラルメの3つの詩》を初演しています。バレエ音楽《おもちゃ箱》はその年に上演の予定がありましたが、戦争のためにオーケストレーションされずに終わりました。ピアノ譜は出版されているので、絵本を動画にしてナレーション付きで上演します。その3点で、100年前のドビュッシーのコンサートの再現ということでまとめました」
藤村は、「ドビュッシーは嫌そうに挨拶して、すぐにでも立ち去りたいみたいで、でも彼が弾く《子供の領分》の演奏はとても心にしみた」と感想を残している。そのようなエピソードも、珍しい映像と青柳さんによるトークで解説される。
この貴重な機会を、ドビュッシー好きなら、お見逃しなく!
『島崎藤村が聴いたドビュッシー〈1914年・パリ〉』
《第1夜》10月21日(火) 19:00 白寿ホール
出演:青柳いつみこ(ピアノ&トーク)、波多野睦美(メゾ・ソプラノ&ナレーション)、本田聖嗣(ピアノ)
《第2夜》10月31日(金) 19:00 白寿ホール
出演:青柳いつみこ(ピアノ&卜一ク)、小林美恵(ヴァイオリン)、盛田麻央(ソプラノ)
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