|
|
|
|トップページ| プロフィール
| 今年の活動 | 新刊|新譜|コンサート|CD|書籍|書評、CD評
| |執筆&インタビュー|日記 | E-メール| |
|
|
次はカテドラーレを目指してヴィットリオ・エマヌエーレ通りを歩く。石畳の狭い通りだが、しゃれたみやげ物店が並んでいる。サンゴのネックレスを並べた店があり、思わず 見とれる。色がとても濃い。かわいいガラス製品を売っている店もあった。皮紐を通したヒトデ型の真っ赤なネックレスをぶらさげている。中にはいると、感じのいいおばさんが 小さな男の子と店番をしていた。ヒトデ型のネックレスは15ユーロ。青いのもある。光に当てるととてもきれいだ。両方下さい、というと、左ききの男の子が一生懸命伝票に値段を 書いてくれた。
となりのサンカタルド教会は、エレミティ教会と同じように赤い丸屋根が3つ並んでいる。ここは中にはいれなかったので、横すじのトラットリアで昼食を取る。おじさんとおばさんが 給仕をしている、気どらない定食屋さんだった。ミックスサラダはセロリ、トマト、オリーヴ、じゃがいもがオリーヴ油であえてあっておいしい。シチリア名物のいわしのブカティーニ。 サフランで色づけした太い麺に身をほぐしたサーディン、松の実、甘くない干しぶどうなどがあえてある。フェンネルがエキゾチックな味わいを添えている。デザートはなかったので 隣の店でココナッツのジェラートを食べ、水を飲む。 ローマ通りを北上して州立考古学博物館に行く。ここは16世紀の修道院を改装したとのことで、入口にも趣がある。中庭には六角形の噴水があり、パピルスも繁っていて心地よい。 雨が近いというしるしか、雨虫がむらがって飛んでいた。中庭を抜けた先には、セリヌンテの神殿のフリーズを再現した部屋がある。C神殿のメトープ3点、F神殿のメトープ2点、 E神殿のメトープ4点。セリヌンテには行けなかったので、神殿の様子を思い浮かべる。手前の部屋は、歯をむき出してうなっているライオンの顔を並べた壁で囲まれている。 恐ろしげなのからどこかのんびりしたのまで、表情が微妙に違うのが面白い。 ゆっくり見てまわったあと、見逃したカテドラーレに行った。案内書に書かれた地点に立ってみると、さっきノルマン宮殿だと思っていたものがカテドラーレだったことが判明。 内部は無料だが、宝物館は有料。宝冠にはエメラルドやルビー、トパーズなど沢山の宝石がついているが、あまりに大きすぎるので、かえって縁日で買う子供の指輪のように 見えてしまう。地下は、歴代の皇帝や王の霊廟になっている。お棺の上に横たわっている石像で、この間まで六甲山で通訳をしていたアンリ・バルダそっくりのものがあって、 思わず大笑い。寺院に戻ってトイレはどこかときいたら、警備員のおじさんが聖像の飾ってあるくぼみのうしろをさした。何のことだろうと思ってのぞいたら、裏手にトイレが あったのだ。しかも、紙はない上に鍵もかからない。娘と交替で扉をおさえて用を足した。 ここまでで、5つの教会に考古学博物館まで観てしまった。予想以上に進行が早くて、少し時間が余った。見残したジェズ教会はまだ開いていないので、15時から17時まで 開いているカプチン修道院のカタコンベに行くことにした。また独立広場に戻って327番のバスを待つ。最寄りのバス停は2つ目か3つ目と観光案内書に書いてある。どっちか はっきりしてくれ一。バスはすぐに来たが、誰も乗っていない。個人タクシー状態。運転手に道をきいたら、3つ目で降りて少し戻って道を左にはいるようにと教えてくれた。 入場料は2ユーロ。10ユーロの札を出したのに、チケット係のお坊さんがおつりを1ユーロしかくれない。きっと5ユーロの札と間違えたのだろう。フランスでもそうだが、 年配の人はまだリラの方に慣れていて、ユーロの札が苦手なのだ。 倍の料金をとられてもよいほど、カタコンベの中はすごかった。ローマと違って、葬られているのは一般市民。聖人とともに眠りたいと願った裕福な人たちが、カプチン派特有の 防腐処理をほどこされて埋葬されている。当初はミイラだったが、時を経てほとんど骸骨になってしまった。ペストが流行したときは、菌を退治するために遺体を洗わざるをえなかった こともあるという。どの遺体も正装して手を前に組み、少し俯きかげんに立てかけられている。首をがっくりうなだれているものもある。口を大きく開いているのもある。横に寝かされて 首だけこちらに向けているものもある。それぞれの人生はどういうもので、どんな亡くなり方をしたのだろう。ついつい想像してしまう。 一番怖かったのは子供の遺体で、晴れ着を 着せられているので人形に見える。しかし、顔や手足は骸骨なのだ。ときには保存状態のよい遺体もあり、髪の毛や口髭がそのまま残っていたり、皮膚もきれいに保たれていたりする。 1920年に2歳でなくなった少女ロザリア・ロンバルドの遺体などは、まったく寝ているようにしか見えない。ただしここは柵で囲われていて遠くから覗いただけだから、あとで 写真で見たときの印象。しばらくは、人形を見るたびにミイラを思い出した。 カタコンベを出たあと目の前のバス停でバスを待ったが、これがなかなか来ない。時刻表があれば心づもりができるのだけれど。一緒に待っていたカップルはあきらめて帰ってしまった。 15分ぐらい待ってようやく到着。独立広場からまた歩き、(しょっちゅう通るね、と苦笑しながら)インフォメーションで初めてちゃんとした地図をもらった。それでも、 最後の目的地、ジェズ教会への道は本当に苦労したのだ。旧市街の道は細くて曲がりくねっているし、道の名前が記されていないことも多い。渡された地図にも小さな道の名前は 書いてないし、曲がり角にちょうど建物を示す数字が書いてあって、具体的にどこで曲がったらよいのかわからない。 ヴットリオ・エマヌエーレ通りからマクエダ通りに出て、さらに ボスコ通りを右に曲がったまではよかったが、そのあと道を間違えたらしく、いっかな教会は出てこない。いつのまにか、数年前までは地元の人すら立ち入らなかったと言われる 旧市街の真っ只中にはいりこんでいた。子供たちはストリート・サッカーをしている。どこかで爆竹を鳴らす音もして、一瞬、銃の音かと身構える。 やがて市場に出た。広場は雑然としていて、ゴミだらけ。屋台の前にはおじさんたちがたむろしている。まわりの建物はほとんど廃墟に近いほど崩れている。この地区は教会だらけで、 あちこちにモスク風の円屋根や尖塔が見える。あれかしら、あっちかしら、とやみくもに歩いていたら、さらに道に迷ってしまった。道を尋ねても、尋ねる人ごとに言うことが違う。 あきらめて振り出しに戻ることにした。
行くとしたら次の日で金曜日にあたるが、朝7時にパレルモを 発って9時25分に着いたとしても、帰りつくのが19時50分では、1日無駄にしてしまう。かといって、13時発のバスでは、ピアッツァ・アルメリーナに着くのが15時05分、 そこからさらに別荘跡に行って見物して戻り、17時05分のバスに乗るのはほとんど不可能。これではまるで、行くなと言われているようなものである。よってあきらめる。 アグリジェントに行ったら、またバスを捜してみよう。 ホテルは中央駅から歩いて10分ほど。夕食はホテルのレストランで取ることにした。やはり少し高めで、パスタも庶民的なトラットリアでは6ユーロ台なのに、こちらは11ユーロ 以上もする。さんざん迷ったあげく、22ユーロでオードブル、サラダ、パスタ、デザートにグラス・ワインがついてくるブッフェを注文した。フロントで渡され た5パーセントの 割引券を出したら、シャンパンをついでくれた。ウェルカム・ドリンクだろう。オードブルはすこぶるおいしかった。アランチーニという、シチリア名物の米のコロッケ、ズッキーニの マリネ、ピーマンの肉づめ、海の幸のサラダ、米のサラダ、小海老のサラダなど。温かいパスタもあると書いてあったので待っていたが、給仕さんに「フィニート?」ときかれて ナイフやフォークを片づけられてしまった。そのかわりデザートのプレートが来た。娘はアップルパイと苺のケーキを半分ずつ。私は、フルーツカクテルにワインの残りを入れて食べた。 これは、マルセイユでピアノを習ったバルビゼゆずりの習慣。 やっと独立広場に着いたら、モンレアーレに行く309番がすぐそこにいる。ところが、チケットを買う間に出てしまった。よくきいたら、チケットは120分間同じものが使えるので、 前のチケットが有効なのだ。つまり、運転手に頼んだら80ユーロかかるところが、たった1ユーロでモンレアーレまで行けてしまうことになる。独立広場のバスターミナルも、 ひっきりなしにバスが出入りし、車がクラクションを鳴らし、神経にさわることおびただしい。次のバスはわりあいにすぐに来て乗ったが、今度は道路の渋滞で、なかなか進まない。 いらいらしっぱなしで35分後にモンレアーレ到着。 すでに11時30分になっていた。 広場にはどっしりしたドゥオモがあり、ここの頂上のテラスから隣の修道院の中庭を見ることができるという。その締切りが12時なので、気が気ではなかったのだ。
下に降りてドゥオモの内部を見る。パラティーナ礼拝堂と並び賞される建物だが、私的にはこちらの方が印象的だった。パラティーナでは椅子が封印されていたのに対して、こちらは ゆっくり座って見ることができたからでもある。パラティーナと同じように金色に輝くモザイクで装飾されたアーチを、古代の神殿のような柱が支えている。(写真7)
海の方にぶらぶら歩いていくと、海に向かってせり出したような感じのピッツァリアが見つかった。テラスにのぼると、白い建物が立ち並ぶ盆地の向こうに、真っ青な海がひろがって いる。パノラマつきのレストランだが、値段は思ったほど高くない。私が注文したのは、サフランの味のついたタリアテッレのシェリー風クリームソース。頭つきの中型海老と小さな 海老がのっている。海老のみそがソースに加わって、とてもおいしい。娘はヴォンゴレ・スパゲッティ。赤キャベツとチコリのサラダを二人で分けて食べる。 景観と味の両方を楽しんだあと、少し町中を散歩してからバスでパレルモに帰る。今度は15分で着いてしまった。109番のバスも独立広場のターミナルで待っていた。中央駅から 101番にのりついでローマ通りに行く。人形劇の劇場「パペット座」が考古学博物館そばの小さな通りにあるはずなのだ。かわいい絵を書いた扉は見つかったが 、現在ツアー中で 10月にならないと開かないと書いてある。あきらめて、ホテルでポスターを見た一座の方に行くことにする。カテドラーレの向かいの道をはいったところで、17時から上演される らしい。娘はローマ通りかマクエダ通りで買い物をする予定 だったが、どの店も高級すぎてニーズに合わない。捜しているうちに、ヴィットリオ・エマヌエーレ通りに来てしまった。 途中の曲がり角で、大きな人形が看板がわりに立っているのに出くわした。細い細い通りを行くと、人形劇のポスターが貼ってあり、17時と18時の2回公演があると書かれている。 探していたものとは違う。のぞいたらおじさんが出てきて、私の持っていたパペット劇場のメモを見て、この劇場とは兄弟の関係だ、と手まねで言う。客ひきをしたいのだろう。 まだ17時30分だったので、あとで来るといい置いてヴィットリオ・エマヌエーレ通りに戻る。 前にガラスのヒトデを買った店より少し手前に、太陽や月の陶器のペンダントをディスプレイしている店がある。はいったら、この前とは逆にかわいい女の子がお母さんの手伝いを していた。おみやげ用に、太陽、太陽が月をかくしているもの、月のペンダントを買う。娘は星のピアスを買いたかったらしいが、残念ながら片方しかなかった。私の分に買った月の チョーカーをひとつゆずる。もう人形劇のはじまる時間だ。急いでカテドラーレの真向かいを左にはいる、やはり細い細い道。太ったおばさんがチケットを売っている。8ユーロ。 2つの部屋をつなげたような劇場で、壁には人形がずらりとかかっている。 開演前にでっぷりとお腹の出た、ちょっと凄味のあるおじさんが出てきて、人形劇の歴史を熱っぽく語る。イタリア語なのでさっぱりわからないが、シチリアの人形劇にはパレルモと カターニャの伝統がある。カターニャの人形は大きく、舞台の上から操作する。パレルモは袖から操作するので、手足が曲線を描いてしなやかに動く、という感じ。題材はオルランドの 恋の物語。あとで調べたら、中世騎士物語にもとづくもので、ヒーローは「ローランの歌」のローランのことで、恋人のアンジェリカは東洋の姫とある。 最初に天使の羽根をつけた人形が出てきて口上を述べる。次に悪魔が出てきて、ひとしきりとびまわったあと、やはり口上を言う。オーケストラの甘い音楽。オルランドとアンジェリカの ラヴ・シーン。ちゅっちゅっちゅっと音を立ててキスをする。そこにリナルドがあらわれて決闘になる。オルランドは兜に赤い羽根がついているが、リナルドは緑。戦いと言っても 派手に剣を打ち合わせるだけで、バリ島の舞踊のように様式化されている。自分のことで決闘しているのに、アンジェリカは「まあ!」とも「おお!」とも言わず、手で顔を覆うことも せずに、ただじっとしているのがおかしい。人形遣いが2人しかいないせいか。 場面は刻々と変化し、それにつれて背景も変わる。王様(シャルルマーニュ大帝か?)が出てきて調停する。なぜか戦争になる。いろんな国の兵士が登場する。ばかにでかい兵士や チビのサルのような兵士(ヤリを持ってきーきー声でしゃべる)、ジンギスカンの孫みたいな東洋系の兵士、アラブ系、ターバンをまいたトルコ系など、いろいろ。どの兵士も退場する とき、まずくるっと反対の方を向き、ミエを切るように顔を左右に向けながら大股でがくんがくんと出て行く。この歩き方はうつってしまいそう。
18時からはもうひとつの人形劇。ヴィットリオ・エマヌエーレ通りに戻り、人形が道しるべをしている通りを曲がったら人が並んでいた。前の演目が遅れているのだろう。チケット もぎりはおばあさん。5ユーロだった。こちらはオペラ仕立てで、最初に音楽師が軽やかにステップを踏みながら口上を言う。この足さばきは秀逸。オルランドはベッドでいびきを かきながら寝ている。やおら起きて、突然「アンジェリカ、アモーレ・ミオ!」と叫ぶ。すぐにアンジェリカとのラヴ・シーン。キスの回数までさっきと同じ。でも、あとは大分 違っていた。アンジェリカの声が男性の裏声なのがおかしい。いろいろな国の兵士と打ち合う前にヘビが出てきて、切られたあと尻尾をぴくぴくさせていた。 こちらのお話は、オルランドとリナルドの決闘シーンにしぼられている。剣を打ち合うだけではなく、足を踏み出してちゃんと戦闘する。よりリアル。そのあといろんな兵士と戦闘。 打たれた兵士が首をちょんぎられても次の背景に言ってとびはねたり、まっぷたつに割れたりするのは前と同じ。伴奏の音楽は手まわしオルガン? 音からすると古い縦型ピアノのよう。 上の方がとくに狂っていて、オクターヴが合わない。弾き手の方も、オクターヴの連続になるととても苦しそう。オルランドが全部の兵士をやっつけたあと、リナルドがあらわれて、 さらに決闘シーンがつづく。夜まで戦ったが決着つかず、ひとまず寝ることにする。しかし、お互いに気になって交替に起き上がる。それが何度かつづいたあと、2人で同時に起きてしまう。 すべては明日だ、と話しあってまた寝る。大きな月が通りすぎる。 9月12日(金)。この日が最大のメルド日。まず郊外の町モンレアーレに行こうと思って、ホテルからタクシーを拾った。運転手にバスの出る独立広場、と言ったら、モンレアーレに 行くのかという。そうだと言うと、車で行ってあげる、ついでにマッシモ劇場、カタコンベ、パラティーノ礼拝堂にもまわってあげようと言う。80ユーロとかとんでもない値段を紙に 書く。独立広場に行っても8ユーロかかるからその方が得だというが、冗談ではない。あんな近くで8ユーロもとられてたまるか、と車を降りて中央駅に向かう。運転手は何か 叫んでいるようだったが、無視。中央駅から109番のバスに乗れば10分程度で独立広場に着くのである。ところが、これが間違いのもと。他のバス、たとえば101番はいくらでも 来るのに、109番はいっかな来ない。ひっきり なしに出入りするバス、クラクションを鳴らしっぱなしの車。ぺちゃくちゃしゃべりまくる土地の人。ものすごい喧騒である。 40分経過。頭に来て別のバスでも行けないかと探しはじめたところに、うしろの方の乗り場に109番到着。何だかさっぱりわからない。 朝になって小鳥が鳴き、舞台は明るくなる。また決闘。ここでリナルドはオルランドに切られて死んでしまうのだ。天使が飛んできて花をまく。オルランドは、自分で殺しておいて 大声をあげて嘆く。舞台の後ろから噴水が吹き出し、それをくんで死体にかけてやるところでおしまい。舞台の袖から人形遣いが姿をあらわした。舞台や人形を見なれた目にはガリバーの ようだった。あとで絵はがきを見たら、有名なクティッキオ・ファミリーの一族らしい。 大いに満足して食事場所を探すべくヴィットリオ・エマニュエーレ通りに出たところで、ものすごい大雨。娘が携帯の折り畳み傘を持ってくるのを忘れたため、2人でひとつの傘で 歩いたが、片側はずぶぬれになってしまった。ローマ通りを抜け、駅に着いたものの、雨は一向にやまない。その途中、どこかで雨宿りしようとピッツァリアかレストランを捜したが、 見つからない。駅に着いたら何かあるだろうと思ったのだが、これが大間違いで、やはり何もないのだ。駅はとても暗い。裏に出てみたり、さんざん迷った挙げ句、小さなトラットリアが 店を出しているのを発見。雨に濡れて寒くなってきたので、とにかくはいることにする。 メニューを見ると、ものすごく安い。大衆的な店なのだろう。背の高い兄ちゃんが注文をとっている。娘はカルボナーラのスパゲッティとグリーン・サラダ、私はプロシュート入り ラグーソースのタリアテッレ、ミックスサラダを注文。これが8時。ところが、8時20分になっても30分になっても40分になっても、水ひとつ出てこないのだ。おまけに、 手伝いをしている小さな女の子が、サラダに使うオリーブ油とワイン酢を持って行ってしまった。あんまり腹が立ったので、店主らしいおじさんに時計をさしつつ「クワランタミヌーテ!」と 抗議をしたら、私のスパゲッティとサラダはすぐに持ってきた。 遅れて娘のスパゲッティも到着。しかし、水は出てこない。店主のおじさん、何か飲み物はいらないのか、と呑気なことを 言っている。その水を50分待っていたのだと説明したら、手をひろげて、外の客が沢山いて・・・と言い訳している。私たちが抗議しているのを見て、部屋の隅でのんびりビールを 飲んでいた土地のおじさんか、自分のも来ない、と言っていた。食べ終わったのが9時。ところが、「御勘定(コント)」と頼んでも、これがまた一向にやってこない。じれてメニューを 見て、計算して置いて出ようとしたら、やっと持ってきた。2人で17ユーロとすごく安かったが、チップは置かずに店を出る。 そんなこんなで、女性は夜遅く1人で歩かないようにと言われているパレルモを9時すぎに歩くはめになってしまった。しかし、ここでどこからともなく黒い犬があわられて、あとに なり先になりしながら、お伴をしてくれたのである。これはずいぶん助かった。丸い眼をした、とてもかわいい犬だ。どうも娘に親近感をいだいているらしい。ホテルの入り口まで 来たらちゃんと立ちどまり、名残り惜しそうにずっとこちらを見ていた。 |
|
|
|
Copyright(c) 2001-2005 WAKE UP CALL
fountain@ondine-i.net |