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| 2001年11月18日/ステージ衣装 ふた月ほど前、共同通信の高橋洋一氏からお電話をいただいた。さるグラフ誌の「マ イ・ファッション」のコーナーでインタビューしたいという。 −−だって私、全然おしゃれしないよ。 −−いいんですよ。アンチ・ファッションでも。 高橋氏はこともなげにおっしゃる。詩人の西条八十の甥ごさんにあたる氏は、自らも フランスの詩人コクトーを研究し、講談社現代新書の「コクトー」他多くの著訳書があ る。いっぽうで、ファッション・ジャーナリストの肩書をもつ氏は、セツ・モード・セ ミナーの講師をつとめ、ディオールやサン=ローランなどのショーの取材にも出かける という。 対して私は、ブランド物には全く興味がなく、着るものはもっぱら駅のガード下の「無印流行服」というお店や、商店街のリサイクル・ショップで仕入れてくるのだから、 ミス・キャストもいいところだ。 −−一番おしゃれしてたのは大学時代かなぁ。自分で生地をみつけて、デザイン画を 描いては、知り合いの仕立屋さんにつくってもらっていた。 −−どんな生地が多かったの? −−柄は花柄。シルクとかではなくて、化繊のぺろんとした生地が好きだった。 −−コンサートのときのドレスは? −−それも、デビュー・リサイタルから何回目かまでは仕立てさせていたけど、最近 は面倒くさくなっちゃって。 −−去年のさ、東京文化会館でのリサイタルのとき、すごくステキだった。ゴージャ スで。 −−だって、あれ、駅のガード下で買った1000円のラメ入りタンクトップだよ。 −−えっ? 思わず、高橋氏は絶句なさった。そうなんですよ。ホントに1000円。それが、業 界用語で「本番あかり」とよばれるステージ照明に照らされて、幻想的な効果を生む。 このとき首にかけていたライン・ストーンのネックレスも、やはりガード下の別の店で まとめ買いした一点500円のアクセサリーのひとつだった。 もっとも、このときのボトムは、やはり生地を買って以前に仕立ててもらった名残の花柄ロング・スカートだったから、チープなのは上半身だけだったけれど。 今年のコンサートは、 書籍・CD発売記念の 「水の音楽」 だったが、昨年以上に衣装 にお金をかけていない。前半のステージで着たのは、商店街の「リサイクル・ショップ 」に出ていたミントグリーンのロングドレス。肩からさがっている三重のドレープが波 を連想させる。しかし、これだけではいかにも寂しい、と思っていたところに、ガード 下の「無印流行服」で、海を思わせる色あいのビーズの肩掛けを発見した。ドレス28 00円。肩掛け1000円。ドレスを試着し、ためしに肩掛けをはおってみると、襟ぐ りなどぴったり。私は、家庭科2だったお裁縫の腕を遺憾なく発揮して、ドレスの肩に ホックをぬいつけ、肩掛けをすべり落ちないように止めた。 後半のステージでは、駅前の立ち食いそば屋さんがつぶれた跡地に仮住まいのように して洋服を並べているお店でみつけた上着に、以前、商店街のイヴェント会場で買って おいたロングスカートをあわせた。トップスは水色の地に黒で豹をプリントしたもので 、 豹の目のところにラインストーンがついている。 特徴は袖口 で、水の流れを思わせる ようにフレアー状に広がった部分に4つの切れ目がはいり、ピアノを弾くとゆらゆら揺 れる。 スカートは水滴のような地模様のついた黒のレースで、裏地にスリットがはいってい るので、ひざから下がときおり透けてみえる。スカートのお値段はおぼえていないけれ ど、上は6800円。小さな人造パールをワイヤーでつないだネックレスは2900円 。 コンサート終了後、出版社気付けである聴衆の方からファン・レターをいただいた。 水滴を意識したかと思われるドレスが曲に似合って、とても素敵だった、と書かれて あり、嬉しかった。 |
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